◆狼種の少年 ５ ページ33
ｴﾄﾞｶﾞｰ「狼種は、猫種に負けてしまったんだよ。だから、王様にはなれなかった。」
『だから、狼種は私たちを呪うの？ ウェブリンを……、滅ぼそうとするの？』
ｴﾄﾞｶﾞｰ「ああ、その通りだよ。彼らは、自分たちだけの理想の国を造ろうとしているんだ。この美しいウェブリンの大地を、彼らは独り占めしたいんだよ。だから、おまえも気を付けなさい。」
『……うん、わかったわ。』
ｴﾄﾞｶﾞｰ「貪欲な狼の振り撒く呪いには―――……、誰も勝てないのだから。」
*****
それは、幼かった私に父が聞かせてくれた物語。幼い私のために、おとぎ話の態をとってはいたものの、それは真実だった。
１０年前に起こった反逆の物語。それを切っ掛けに、狼種たちはウェブリンへと反旗を翻した。
私自身が、ゾディバという病が狼種の呪いであると信じているかと聞かれると、それは違うと思っている。だが……、狼種がその後ウェブリンの村々を襲い、人々を殺して回ったことは事実だ。
だからこそ、ガバルディ六世陛下も、狼種を狩るための法令、狼狩りの令を発令したのだ。
そして今―――…。ウェブリンから姿を消したはずの狼種が、私の目の前にいる。
？「……これでも、オレを見逃せるっていうのか？」
彼は口元を皮肉げに釣り上げ、ザラとネッソを挑発するように睨み据えている。それは大胆不敵というよりも、どこか自棄になって開き直ったかのような笑みだった。
『……っ！』
ウェストに腕をかけられ、強く引き寄せられる。
ﾈｯｿ「(人1)……！ 妹には手を出すな……！」
ｴﾙｻﾞ「お嬢様から手を離せ……！」
ｻﾞﾗ「何が望みなんですか……！」
……どうして、かしら。
ますます危機感を強くする三人の声とは裏腹に、私自身は不思議と彼へと身の危険を感じなかった。彼は私の手を引き、今もこうして私を人質のように扱ってはいるが……。
私を、殺そうとはしなかった。
騒いだら殺す、大声をあげたら殺すと脅されはしたけれど。それにしたって、実際に武器を突き付けられたわけではない。多くの本や、人が言うように、狼種が見境なく人を襲うような危険な種族であるのなら、彼はとっくに私を殺している。
一体どうするつもりなの？
この状況はなんとかしたい。だが……、彼が狼種として断罪される姿は見たくないと思ってしまった。
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フフカ - はい!まってます今日もご苦労様でした。(^∀^#← (2016年4月13日 5時) (
レス) id: eace5f3fac (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - ありがとうございます！ そうです、前とは少し内容を変えて書いてみました！！ よくわかりましたね(^○^) これからも頑張りますので楽しみにしていてください！！！ (2016年4月12日 22時) (レス) id: 23fff2c30d (このIDを非表示/違反報告)
フフカ - こんなに遅くからご苦労様です なんとなく今日も来ちゃいました!似ている小説だけど前とは違うので読んでます前より詳しく書いてあるのでとても分かりやすいです(#°∀°♭ 明日もまってまーす(笑) (2016年4月11日 22時) (レス) id: eace5f3fac (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - ありがとうございます！ 頑張ります(^○^) (2016年4月10日 20時) (レス) id: 23fff2c30d (このIDを非表示/違反報告)
フフカ - 分かりましたありがとうございます誰オチにするか決まったら教えてください これからも毎日応援してます!!ガンバﾃﾞｽ (2016年4月10日 19時) (レス) id: eace5f3fac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヒメア | 作成日時：2016年3月9日 20時
