星の結びかた (ページ7)

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思わずスマホを落としそうになる。まさか、髙比良もわたしのこと、なんて、そんなこと。

「……ほんと、に……？」
「ほんと。俺が正直なの知ってるでしょう」
「そうだけど、でも髙比良あのときごめん、って、」
「ごめんって言ったのは、俺から告白できなかったのが申し訳なかったから」
「……え、ええ……さすがにさあ、わかんないって」
「それは、うん、ごめんな？」

ごめんな、って言うときの声色がやさしくて、じわあっと胸の奥があたたかい。

「どうしてもいま言いたくなって電話したんだけどさ、……いま、Aの家の前にいて」
「えっ、こわ」
「こわって言うな、こわって」
「車で来てるから、その、……俺の家、来る？」
「……それってさ、」
「うん。誘ってる」

こういうとき、というかいつもなのだけれど、髙比良は正直で嘘がつけなくて、誠実で。男女のあまい雰囲気のときも、強引にもっていくんじゃなくて、最後はわたしに委ねてくれる。

「そういうのは言わないもんなんだよ」
「いや、今のはおまえが言わせただろ」
「ふふ、いま下行く」

マンションの入り口に行くと1台の車が停まっていて、あ、くるまが車乗ってる、とくだらないことを考える。車窓をのぞき見ると、すこしこわばった顔の髙比良が運転席に座っているのが見えた。

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