星の結びかた (ページ6)

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翌日の夜、髙比良から着信があった。いまさら何を言いたいのだろう、と思う。振った女と話すことなんてないだろうに。

わたしはその着信を無視して風呂に入り、あー、やっぱり出ればよかったかな、とか、髙比良と話せる最後のチャンスだったな、とか、あ、わたしの好きなアイドルの連絡先、髙比良持ってたりして、聞けばよかった、とか。いろいろ考えた、シャンプーをしながら。

風呂から上がりスマホを確認すると、10件もの不在着信が入っていた。髙比良、ずっと電話かけてきてたのか。するとすぐに着信画面に切り替わったから、のぼせた頭にまかせて電話に出る。

「うわ！やっと出た！」
「うわってなに、うわって」
「マジでさあ、さすがに20分も電話かけ続けるやついないよ？しかも俺、芸能人よ？今日は仕事が早く終わったから良かったけどもね？」
「頼んでないし、芸能人はあんま俺芸能人よとか言わないから」
「んはは、キレッキレだなあ」
「いやいや、髙比良には足元にも及ばないって」

案外違和感のない会話にすこしびっくりする。電話口の声はいつもとはすこし違った聞こえ方で、それがまた余計にくらくらする。

「このまえ、ごめん、って言ったけどさ、」
「……うん」

わたしはしずかに息をのむ。

「……ふつうにびっくりして。Aも俺のこと好きでいてくれたことに。」
「……え、……それって、」
「うん。……好きですよ、Aのこと」

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