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「じゃあわたしこっちだから」
「ん、今日はありがと」
「こっちこそ。楽しかった」
「また飲みましょう」
「うん、飲も。じゃあまた」
「気をつけろよー」
「ふふ、はーい」
�眸耄匹箸琉�み会はさらっと始まってさらっと終わった。有名人になった、大学時代の知り合い。それ以上でも以下でもない。けれど彼は、また飲みましょうと言ってくれた。気をつけろよと言われて振り返ったら、微笑んでくれた。それがなんだか嬉しくて、胸の奥底がじゅわっと熱い感じがした。
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それから、�眸耄匹箸浪寝鵑�飲みに行った。場所は毎回居酒屋で、個室だったり落ち着いたところだったり。�眸耄匹料�ぶ居酒屋のごはんはどれも美味しくて、やっぱり芸能人はお店選びからして違うなあ、なんて思うのだった。
「かんぱーい」
ふたりでいつも通りジョッキをぶつけ合う。M-1チャンピオンだというのにこんな、どがつくほどの一般人と飲んでいていいのだろうか。一応ファンの目に触れないように個室が多いのだけれど、にしてもだ。
「ていうかさ、いいの？わたしなんかと飲んでて」
「いいって、何が？」
「いや、だから、芸能人が一般人とふつうに飲んでていいのかって話。ほら、週刊誌とかもあるし……」
「んははは！週刊誌が俺を追うわけないだろ〜」
「いやいや、追うでしょ。ファンの数も人気も今までとは違うんだからさ」
「そうかねえ。いやー、ないなあ」
「あるって！」
ないない、と笑いながらビールを呷る彼の姿を近くで見たいファンがどれだけいることか。ほんとうに、どこまでも鈍感だ。
「あと、いい加減やめない？それ」
「ん、それって？」
「呼び方。Aさんって、他人行儀すぎない？」
「あー。まあ、たしかにな？」
「名前で呼んでみてよ。あ、まずわたしの名前知ってる？」
「いや知ってるよそれは」
「ならよかった。じゃあ、はい、せーの」
「……A、」
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作者名：徒歩 | 作成日時：2024年1月26日 0時
