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「ていうかさ」
「ん？」
「俺ら付き合ってるのに、あなたいまだに俺のこと�眸耄匹辰童討鵑任襪任靴隋�
「ああ、うん」
「やめません？あれ」
「え、なんで」
「いやこっちがなんで？」
「�眸耄匹��眸耄匹世茵繊�
「いやいや、意味わからんって」
ふふ、と笑いながら外の景色を見やると、もう海が見えていた。わあ、海だ、と言うと、あんまそれ夜に言うやついないけどな、と�眸耄匹�言う。
「着きましたよ」
「わあ、すごい」
「だからそれあんま夜に言うやついないって」
「んふふ、そう？」
車から出ると、そこには黒い海。ブーツを脱いで裸足になって、砂浜にひとつ、またひとつと足跡をつけていく。
「きっといつか思い出すんだろうなあ」
「いつかって？」
「この恋が終わって、しばらく経ったとき」
「ええ？俺は終わらせるつもりないんだけど」
「どうかなあ、明日にはふられてるかも」
「……どうしたのよ今日、ほんとに」
「どうもしてないよ、」
そう言って海のさきっぽに片足を入れようとすると、腕をつかまれた。振り返れば�眸耄匹�妙にまじめな顔をして立っている。
「……なに、？」
「どっか行っちゃいそうで怖いんだよ、あなた。俺のこと置いていかないでよ」
「……泣きそうな顔してる」
「泣きそうにもなるでしょう」
わたしの手をつかむ�眸耄匹亮蠅呂燭靴�に熱をもっている。わたしの手は生気を失ったように冷たかった。�眸耄匹亮蠅世韻�、わたしをこの世とつないでくれているような気がした。
「大丈夫、わたしはどこにも行かないよ、」
「……って言いたいとこだけどね」
「……」
「もっと普通になりたかっただけなんだけどな」
「……普通なんかじゃなくたっていいでしょ」
「ええ、」
「俺はAといられるなら、それだけでいいんだよ」
�眸耄匹里劼箸澆�ら、一筋の涙が流れる。どうしてこのひとはこんな、綺麗な涙を流すんだろう、と思った。ぬぐうのがもったいないくらい、それはうつくしい涙だった。
「さむいね」
「うん」
「……帰ろっか、」
そう言って微笑むと、�眸耄匹呂錣燭靴鬚�ゅう、と抱きしめた。冬の終わり、夜の海にはわたしたちしかいない。どうしようもなくつらくて、わけがわからないほど消えたくなる夜もあるけれど、そんなときはこのぬくもりに甘えていたい。そうやってふたりはたしかめあうのだ。いつしか凪いだ海では、もうふたりの呼吸しか聴こえない。
・
続く
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作者名：徒歩 | 作成日時：2024年1月26日 0時
