人の体温って安心する ページ4
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「・・・いや、おぶってとは言ったけども」
「?・・・早く蝶屋敷に行かねばならぬだろう!なら重症の竈門少年などより俺の方が速い!」
「いや、それ言ったら怪我した人間より陰さん達の方が速い」
「よもやよもや!それは気付かなかったな!!」
「・・・」
絶対に気付いてたな。
杏寿郎さんは笑いながら私をおぶって走っていた。杏寿郎さんから感じる体温に私は あ、生きてるな と改めて思った。
誰も死んでない。
それは汽車で杏寿郎さんが技をばんばん撃ったおかげだとやって来た善逸が言っていた。
それは杏寿郎さんが鬼と追突する前に私が間に入った事による鬼側の躊躇いが生まれたおかげだと杏寿郎さんは言った。
それはもう駄目だと思った時に無理をしてまで動いた私のおかげだと...炭治郎は言った。
そんな訳ないのに。
あの時、炭治郎が私を一瞬でも見なければ私は杏寿郎さんを見捨てていただろう。だってその方が予定調和に物語が進むから、そうすれば推しが死にかける時に迷わず走り出せるから。
でも、私は結局杏寿郎さんを助けてしまった。未来は変わってしまった。
「はぁ・・・」
「なんだ?痛むのか??」
「痛いのはこの際気にしないや・・・ただ、これからどうすればいいんだろうなって」
「それは俺に答えられるものじゃないな!だが柱になる事をおすすめしよう」
「あー、そこら辺はもう決定事項だと思う」
杏寿郎さんは死んだ訳では無いが鬼とアイツに必死で戦っていたのだ。走ってはいるが片目は血だらけだし頭から血出てるし...なんなら走る時のバランスが可笑しい。
きっと足をやられたのだろう...アイツに。
「確かに俺はもう柱として・・・鬼殺隊として戦えぬだろう!」
「そうだねぇ」
「だが後悔はしない!柱ならば後輩の盾となるのは当然だ!!」
「そうだねぇ」
「竈門少年、猪頭少年、黄色い少年はもっともっと成長する!俺は彼らが鬼殺隊を支える柱となるのを期待しているからな!」
「そうだねぇ」
「大丈夫だ、千弦少女・・・俺はお前を置いては逝かない。誰も千弦少女を置いては逝かないさ!
___だから、安心して眠れ_泣け_」
「そうだ・・・ねぇ・・・」
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紅葉(プロフ) - 一気に読んでしまいました……最高でした。続きを気長に待ちます…… (2021年5月15日 13時) (レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)
らっぴょこさん(プロフ) - えっ、て言うか嘘でしょう?もしかして夢主ちゃんのイメソン、あの有名なやつでしょうか?スペイン語で天使って意味があるあれ?しかも作品自体も最高ですし、神様なんですね?そうなんですね?続きが見たいです!更新は無理せず、出来る時にで良いので、お体を大切に! (2020年7月24日 22時) (レス) id: c590781f3e (このIDを非表示/違反報告)
らっぴょこさん(プロフ) - こんにちは!私も殺戮のエンジェル(←もうこれアウトかな?)や美術館の奴大好きです!思わぬところで仲間と出会えて嬉しいです! (2020年7月24日 18時) (レス) id: c590781f3e (このIDを非表示/違反報告)
深月あかざ(プロフ) - 累君は下弦の伍では?間違っていたらすいません (2019年12月5日 0時) (レス) id: 1aaf81dffb (このIDを非表示/違反報告)
なの。」 - 今日一気読みさせていただきました!!!色々な漫画、アニメ、ボカロ要素が入っていて、見ていて楽しかったです!ご飯にパスタを出すので千弦ちゃんに来て頂きたいです(笑)これからも頑張って下さい! (2019年10月1日 0時) (レス) id: 7d6df4c2e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アカツキ(猫) | 作成日時:2019年8月27日 7時