+98~過去編~+ ページ9
「私、いじめられてるんです…」
何でこの子が？と最初に思った。いい子そうだし、普通に可愛い。髪はツヤツヤの黒髪で、ポニーテールをしている。暗そうな子にも見えないし、何でだ？
「学年に、リーダー的存在の女の子たちがいるんです。その中のボスの女の子が私の事を嫌ってて…。嫌われた理由が、そのボスの女の子と、付き合っていた男子がいるんです。その男子が私に告白してきて…、それを知ったボスが怒っちゃって…」
小せぇ女だな。自分の男が他の奴に告ったくらいで、いじめるなんて。バカみてぇ。男なんてたくさんいるのに。
「私、両親にその事話せなくて…。友達も皆離れていくし…、誰にも相談できなかったんです」
「何で、俺に話してくれたの？」
たぶん初対面の俺ら。見ず知らずの俺に、何で話してくれたのか。
「…私、先輩のこと、神様だと思ってたんです」
“神様”。自分とはまったく無縁の言葉。
「すごくキラキラしてて、皆の憧れで、尊敬されてて…私のことも助けてくれました。たぶん、先輩は神様みたいな人だから私も素直にこの事話せたんだと思います」
「俺が神様？…ははっ。初めて言われた、そんなこと」
本当の自分は、そんな良い人じゃないのに。裏切った気分になって、胸が罪悪感でいっぱいになる。この時の俺は、百合亜の事件もあり、精神的に病んでいた時期だった。
その時、何故かじわりと涙が浮かんできた。涙目な顔を見られたくなくて、とっさに顔を手で隠す。何で泣きそうになってんだ、俺。
「俺、そんな良い奴でも、神様でもないよ、」
溢れそうな涙を堪えるように、ヘラヘラ笑った。すると、顔を隠していた手を退かされ、じっと見つめられた。目をそらすことも出来なくて、お互いに見つめあっていた。
「先輩は、神様ですよ」
汚れを知らない、純粋で真っ直ぐな瞳で見つめられる。この瞳を見てると、自分の中の汚れたものが全て洗われている気分になる。どっちが、神様なのだろうか。その瞬間、我慢できなかった感情が溢れだし、涙が頬を伝った。
きっと、神様は俺なんかじゃない。
本物の神様は、この子だ。
これが、加奈子と初めて会った日。
まだまだ悪夢は続くけど、今は話す時期じゃないから、ここでいったん、昔の話はおしまい。
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オタク(プロフ) - 結局ゆりあとはどうなったんだw 女王と猫くんのピアスの話も完結がぱっとしないし…。 (2019年1月21日 9時) (
レス) id: 4494596138 (このIDを非表示/違反報告)
マヨいちご(プロフ) - え、ちょ、ちょちょっとリクいいですか(挙動不審)あの、総長にチェシャ君の、なんか…こう、御初()を奪われて欲しいです()出来ればお願いします！！(ｽﾗｲﾃﾞｨﾝｸﾞ土下座) (2018年1月15日 21時) (レス) id: 107876932a (このIDを非表示/違反報告)
あかね(プロフ) - とてもおもしろくて素敵でした！読んでいて楽しかったです。あと一つ質問なのですが妹ちゃんはどうなったのですか？ (2017年12月14日 17時) (レス) id: ce8ba9399b (このIDを非表示/違反報告)
珈世 - 女王，あんま出てこんかったな(´・ω・｀)w (2017年4月6日 18時) (レス) id: 8038c86eb0 (このIDを非表示/違反報告)
aa. - うわぁ！！もう面白すぎ、かっこよすぎて、読みやすくて、一気に読んじゃまいましたよ！！？更新の方はもうしないんですか？久しぶりに良い作品にたどり着けました！！ (2016年7月17日 16時) (レス) id: d4e903947b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くるくる | 作成日時：2014年7月19日 18時
