+96~過去編~+ ページ7
事件から一ヶ月経ち、百合亜の傷が少し良くなった頃、学校は夏休みに入った。
風呂上がり、首にタオルをかけ、冷蔵庫に入っていた牛乳をパックのままで飲んでいた。これは日課になっていて、中2の時の身長は176cmだった。だから、並ぶ時もつねに一番後ろ。
キンと冷えた牛乳を飲んでいると、後ろから誰かに抱き付かれた。ほのかに香る、シャンプーの香り。
「お兄ちゃん、百合亜と一緒に寝て？」
夏だからか、妙に露出の多い部屋着。胸元の開いたTシャツにヒラヒラとしたショートパンツ。後ろから抱き付かれているため、百合亜の胸が背中に当たっている。計算なのか、無意識なのか分からない。
「百合亜はもう一人で寝れるだろ？」
この時、俺は中2で百合亜は中1だった。俺は、思春期ということもあり、百合亜を異性として見るようになった。しかも、最近は両親どっちも家にいないため、百合亜と二人きりが多い。
「お兄ちゃん」
百合亜の声は、いつもより声が低く、不機嫌だった。ピタリと牛乳を飲んでいた手を止め、後ろを振り向いた。
「百合亜、お兄ちゃんが好きなの。お兄ちゃんが欲しい…」
百合亜は俺にキスしようと、背伸びをした。お互いの唇まで、あと数センチ。とっさに百合亜の口を手で塞いだ。
「百合亜、分かるか？俺らは兄妹なんだ。そういう事はしちゃ、」
「どうしてそんな事言うの！百合亜の言う事聞いてよ！！」
百合亜は飲みかけの牛乳を床に投げつけた。フタが開いていたため、牛乳が床にこぼれる。
「お兄ちゃんが、百合亜を傷つけたのよ！お兄ちゃんがあの時、百合亜を守ってくれなかったから！」
ぎゅっ、と百合亜をとっさに抱き締めた。頭をポンポンと撫でると、百合亜の荒くなっていた呼吸が少し落ち着いた。
「悪かった…、もう寝よう。一緒に寝るから」
優しく百合亜をなだめていると、お兄ちゃん、と震える声が聞こえた。どうやら泣いているらしい。
「お兄ちゃんは、百合亜のものだよね？百合亜しか、好きじゃないよね？」
「あぁ、」
「百合亜の言う事は、何でも聞いてくれるよね？」
「……ああ、」
「絶対だよ。裏切ったら、百合亜、死ぬから」
どうしてこんな事になってしまったのだろうか。花火を見ていた時の百合亜のあの顔が忘れられない。キラキラと大きな瞳が輝いていて、花火を純粋に綺麗だねと言う、天使のような可愛い妹。
まだまだ、悪夢は続く。
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オタク(プロフ) - 結局ゆりあとはどうなったんだw 女王と猫くんのピアスの話も完結がぱっとしないし…。 (2019年1月21日 9時) (
レス) id: 4494596138 (このIDを非表示/違反報告)
マヨいちご(プロフ) - え、ちょ、ちょちょっとリクいいですか(挙動不審)あの、総長にチェシャ君の、なんか…こう、御初()を奪われて欲しいです()出来ればお願いします！！(ｽﾗｲﾃﾞｨﾝｸﾞ土下座) (2018年1月15日 21時) (レス) id: 107876932a (このIDを非表示/違反報告)
あかね(プロフ) - とてもおもしろくて素敵でした！読んでいて楽しかったです。あと一つ質問なのですが妹ちゃんはどうなったのですか？ (2017年12月14日 17時) (レス) id: ce8ba9399b (このIDを非表示/違反報告)
珈世 - 女王，あんま出てこんかったな(´・ω・｀)w (2017年4月6日 18時) (レス) id: 8038c86eb0 (このIDを非表示/違反報告)
aa. - うわぁ！！もう面白すぎ、かっこよすぎて、読みやすくて、一気に読んじゃまいましたよ！！？更新の方はもうしないんですか？久しぶりに良い作品にたどり着けました！！ (2016年7月17日 16時) (レス) id: d4e903947b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くるくる | 作成日時：2014年7月19日 18時
