ヒーロー ページ44
「なぁ伊吹」
出会った頃の宮地はひょろひょろだった。
見た目も中身も。
すぐにポキって折れちゃいそうだった。
「ん？」
「今日体術あるだろ？お前得意じゃん。コツとかない？」
まずはそのひょろひょろの身体をどうにかしろって。
じゃないとすぐに投げ飛ばされちゃうよ。
「えぇ？コツ？俺に聞いちゃうの」
「だって伊吹は足速いし力強いし」
「じゃあまず基礎体力つけなきゃね、「宮地ちゃん」？」
その日を境に宮地はご飯の量を増やしたり、走る量を増やしたり、筋トレをするようになった。
オーバーワークで倒れないか心配だったが、すぐにその成果は出た。
メキメキと体術も課題をこなすようになった。
「…なんというか逞しくなったねみゃーちゃん…」
「そうか？」
「うん……」
初対面の時に比べたら服も小さくなってる気がする。
すごく頑張ってる宮地に対して、妬みの声は少なくなかった。
「…また宮地A判定出てたよな」
「筆記の方も教官直々に褒められてたし」
「どうせ媚び売ってんだろ」
「おいそこのお前」
キレる俺に対して、いつも宮地は止めに入った。
やめろ、そんなことしても意味が無い。
それでも納得できない。
宮地がこんなに頑張ってるのに、素直に認めてやればいいのに。
いつの間にかジャージが引き裂かれてたり、文具がゴミ箱に捨てられていたり、いじめまがいのことが起こった。
それでも宮地は笑って受け流した。
「いやほんと大丈夫だから。藍が問題起こす方が嫌だな俺は」
「…なんで」
「まーそれが藍の正義なら仕方ないんだけどさ。俺はちゃんと正しいお前でいて欲しいし。
お前がわかってくれるなら周りに何言われてもどうだっていいし」
ありがとな、とそう言った。
俺はまだ餓鬼みたいに膨れていた。
でも見たんだよ宮地。
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彼方(プロフ) - ssさん» 返信遅くなってしまい申し訳ございません。そのお言葉ですごく励まされました、なんとか終わることも出来ました。読んでくださりありがとうございました！ (2020年9月23日 0時) (
レス) id: 2bed11084c (このIDを非表示/違反報告)
ss - 展開にどきどきして続きが気になって夜も眠れません！！！！すごいです！本当にとっても面白くて好きです！更新楽しみに待っていますね (2020年9月16日 23時) (レス) id: b5f1103cd4 (このIDを非表示/違反報告)
彼方(プロフ) - ぽんきちさん» コメントありがとうございます…！主人公の名前はまだ固定にさせて欲しいです…この話が完走出来たら考えてみます…すみません… (2020年9月11日 6時) (レス) id: 2bed11084c (このIDを非表示/違反報告)
彼方(プロフ) - ssさん» コメントありがとうございます…！ssさんも体調にお気をつけてください！ (2020年9月11日 6時) (レス) id: 2bed11084c (このIDを非表示/違反報告)
ぽんきち(プロフ) - いつも読ませていただいてます！続きが楽しみです！主人公の名前が変更できるようにはなりませんか？ (2020年9月10日 23時) (レス) id: 60a8b99502 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彼方 | 作成日時：2020年9月6日 18時
