【QK】社員さん。

珍回答と新藤さん。 ページ4

*







「……乾くんはありがとうを便利だと思って使ってらっしゃるんですか？」

乾「もうやめてください」

「だってアップされたんだもん」


ちょいちょい方を震わせながらスマホを見ている新藤さんになにかと思えば、通りかかった俺を見てボソリと一言。
やめてくださいその冷たい視線。


「じゃあ私への普段のありがとうも便利さ感じて使ってたの……？」

乾「さすがに感謝感じて使ってますから！」


クスクスと口元に手を当てて笑う新藤さんの、ゆるく巻かれた髪の毛がふわりと揺れた。
新藤さんの手元に置かれたココアが静かに湯気をたてて、新藤さんが震えるたびに水面が揺れる。


乾「じゃあ新藤さんだったらなんですか？」

「え、なにが？」

乾「あ、で始まる便利なもの。」

「えー……」


きゅ、と細くなった目。
1拍置いて、薄い唇が再度開いた。


「雨」

乾「……いやそれもヤバイっす」

「やばくないよ！？」

乾「雨を便利なものとして捉えてんのヤバイっす」

「全然やばくないしだとしてもどっこいどっこいでしょ」

須貝「さっきから全部聞こえてっけどアンタら2人ともヤバいわ」


べし、と須貝さんに頭を小突かれた新藤さん。
がた、と震えた机と一緒に「いてっ」と小さな声が微妙に響いた。



・



(新藤乾ポジだったか)
(断固として違います。心外です。)
(自然の恵みを便利な物として捉えてる時点で乾と一緒だわ)
(待ってなんか俺も馬鹿にされてません？！)

双子と新藤さん。→←高身長とハイヒール。

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