No.10 ページ10
そらるside
Aの帰りを待ちながら貰ったイカちゃんのぬいぐるみをもふる
これも彼女がくれたものの１つ
同棲する前、出かける度に俺たちはゲームセンターに行った
俺はゲームが好きで、彼女もきっとそうだった
そう……きっと……
Aは嫌だなんて言わなかったし、態度にも出さなかった
だから俺はよくAにクレーンゲームでとったぬいぐるみをあげてた
それがいつからかお互いにぬいぐるみを交換するようになったんだ
クレーンゲームは得意ではなかったはずなのにどこで練習したのか……
不思議に思ったけどあえて聞かなかった
だって俺のためにしてくれたなんて可愛い過ぎるでしょ？
なんて……自惚れだろうか……
Aと遊ぶ度にまふまふはまたぬいぐるみを貰いました！という連絡を送ってくる
正直ちょっと妬ける
一緒に住みはじめてからはぬいぐるみの交換をしてないから
まぁ家中ぬいぐるみで溢れかえってるのにいうことじゃないか……
「まだかな……」
まだ、帰ってこないかな……
俺はまふまふみたいに上手く言葉が見つけられない
それに、Aは行動では甘えてくることはあるけどなかなか声には出さない
もしかしたら俺じゃダメなのかもしれない
なんてしょっちゅう思う
努力家の彼女を応援することすらできない
まふまふみたいに話を聞くこともできない
Aのこと、ちゃんと支えられてるのかな……
そらるさん、ほんとに不安なんだ……
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