No.12 ページ12
Aside
ただいまぁと言い、リビングの扉を開ける
すぐに目に入ったのはソファに寝転んでいるそらるさん
イカちゃんのぬいぐるみを枕にしてすやすや眠っている
あまりに気持ち良さそうに眠ってるもんだから、彼の白い頬をムニッとつまんだりつついたりして遊ぶ
A「意外と起きないもんだね……」
いつも眠そうなだけあるわ
なんて思ってみる
A「そらるさんには、私が頑張ってるように見えるんだね……全然そんなことないのに……」
聞こえてないのをいいことにペラペラ口が動いた
A「そらるさんは優しいから何も言わないけど、自分はなにもできないなんて思わないでね。
そらるさんが居てくれるだけで、貴方の笑顔を見るだけで、私は勇気付けられてんだよ……」
貴方のおかげで頑張れる
A「いつか、報われるように私、努力するよ。見ててね」
普段はなかなか言えない本音
私はどうも見栄っ張りだから、そらるさんの前だとしっかりしなきゃって思っちゃう
A「……頼りかたを知らないの……もどかしく思ってたらごめんね……」
ムダなことを続けてるから煩わしく思ってるかもしれない
彼女らしく振る舞えなくてごめん
償いのようにそらるさんの頬にキスをする
彼はまるで避けるように寝返りをうって、私に背をむけた
A「……ごめんね」
そう呟いて、彼の上に毛布をかけて部屋に戻った
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