追想-TUISOU-１０ Secretな彼女番外編 (ページ8)

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「ねぇ・・・もしかしてさ、やきもち？」

「違うわ
あのさ・・・まぁいいわ
とりあえず、
リスボン行きはキャンセルしろ」

「・・・」

「この天候だ
どちらにしても飛べない」

「・・・」

リンは、眉を顰め
何か言いたそうだったけれど

「そうだよね・・・」

と、諦めて窓の外を見た

そして、深いため息をついて

「とりあえず、今晩は無理そうだね・・・」

と少し寂しそうな顔をした

俺は、その表情にまたぐっと締め付けられた

俺は、自分は、
リン以外に、彼女を作っておきながら、
リンが他の男のものにならないって
変な確信があったんだ

でも、
それは勝手な俺の考えであって

カウンターで手続きを済ませている
リンの背中を俺はジッと見ていた

流暢なフランス語
いつの間にリンは取得したんだろう

振り返り

「翔、今日、どこに泊まるの？」

と聞いた

「決めてない」

「え？決めて無いって」

「だってさ・・・そこまでの余裕なかったんだよ」

困った顔をしたリン

そして、溜息をひとつ付き

「今晩、この天候のせいで、ほとんどが
欠航してるから
近くのホテルは満室みたいで
泊るところないって・・・」

「仕方ねぇだろ」

俺は、罰が悪くなり、そっぽむく

すると
声を耐えてて笑ったリン

「んだよ」

「いや、いつも計画完璧な翔なのになって」

「だから。今回はそんな余裕が中かったの
・・・リンのせいだからな」

「どうして、私のせいになるのよ」

「だって、そうじゃねぇかよ、ったく、
わけのわからん理由で
ポルトガル行くなんて言い出すからだろうが」

「訳のわからんって、
別に私がどこで何しようと、
翔には関係ある？」

「ある」

「はぁ
わかった・・・
とにかく、タクシーが出てる間に移動しよ
これは、本気のタイフーンみたいだから」

そう言って、
海外に行くにしては小さなスーツケースを転したリン

「ほら、行くよ翔」

「え・・あぁ」

いつのまに、リンは、こんなに逞しくなったんだろう
俺は、慣れたように空港内を歩くリンの後ろをついていった