追想-TUISOU-１０ Secretな彼女番外編 (ページ3)

今日:7 hit、昨日:3 hit、合計:89,106 hit

3 ページ3

すると、カウンターの女性から、
日にちと時間を照らし合わせると、

「おそらく、直行ではないので、
関空から出国ですと、
お昼前の便では、このシャルルドゴール経由で、リスボンに入られるのかと」

と話した

「じゃあ、今、この成田から出国したらどうなります？」

「どこにです？」

「シャルルドゴール」

「今からですか？」

「そう、1番は早い便で」

俺はじっとその女性を見た

その女性はカチャカチャと
おパソコンで調べ始める

「１番早い便にご搭乗いただいくと
シャルルドゴールには、・・・
お客様の方が早く着くと思いますが」

俺は、
ぐっとこぶしを握り締めた。

「お願いします、
その1番早い分で、シャルルドゴール行きを1席
それと、明後日の夕方にここに到着する往復で」

広いポルトガルでリンを探すより
確実に先回りして、
シャルルドゴールの空港で待つ方が
会える確率が
断然高い

「え？明後日の午後こちらに帰国ですか？」

あまりにも、無茶難題なことを要望した俺に、
驚きを隠せていない

「えぇ、お願いします
ほんと急いでるので」

と伝える

俺は、カウンターに手を置き、
指をピアノを弾くような簡易で、無意識に動かしていた

でもそれが、カウンターの女性から見たら、
少し苛立っているように見えたのか

「すぐに、席をお取りしますので、
もうしばらくお待ちください」

と慌てて、目の前のキーボードをせわしなく打った

たしかに
ここで慌ててもどうしようもない

俺は、深いため息をついた

ちゃんと話し合わなかった、俺が悪いんだ
確かに、会う時間が無くなり
リンが提案した通り、
他の女性と付き合いながらも
リンと時間が合えば会い
身体を求めるだけの繋がりになっていたのも確かだ

ただその時
リンのせいではないけれど
リンが、提案した以上、
他の女性とつきあっていていたのも事実

ただ・・・俺の中では
リンを完全に失ってしまうことは無いという
自己的な安心感からか
俺はかなり甘えていたのかもしれない