12 ページ12
「え？」
驚いたリンはなかなかタオルを受け取らない
「ほら・・・
あ、これちゃんと洗濯してるやつだし、まだ、今日使ってないし」
と言いながら、顔をあげると、
戸惑ったまま
「あ・・ありがとう櫻井くん」
と、言ってそのタオルを受け取った
「でも、櫻井くんも濡れてる・・・」
と言ってそれを手に持ったまま拭こうとしない
「あぁ、俺は別に大丈夫・・・あと」
そう言って
俺は、カバンの中から、少し派手目のロゴが入ったTシャツを出し、それも渡す
「よかったら、着替え」
・・・
・・・
「えぇ？」
と少し戸惑ったリンの声に
俺は
あぁ、初めて話すのに、引いたかもしれないと
思いながらも
なんて言ったらいいのかわからず
「あぁ、それも、洗濯してるやつで、まだ着てないから、大丈夫
その・・・このあと、レッスンの着替えで持ってきたやつだから」
と的外れなことを言ってしまう
・・・
でも、何も言わないリンに
シマッタと思いながらも
「その・・・
その上からでも羽織った方がいいよ・・・その・・・」
下着が透けてるからなんて言えるはずもなく
「か・・・あ・・・いや
ここ結構冷房効いてるから、風邪ひくといけないしさ？」
というと
「それいったら、櫻井くんだって・・・
風邪ひいたら大変でしょ・・・
その・・・お仕事もあるんでしょ・・・」
と言って、タオルすら使おうとしない
あぁぁ、もう
と、自分が気の利かなさと、
この時ばかりは、男子校あがりの不甲斐なさに
少しイラっとしてしまって、
「あぁ、もう、透けてんの・・・
目のやり場に困る」
と、思わず言ってしまい
顔を真っ赤にしたリン
「あ・・ごめん、そういういうつもりじゃないんだけどさ・・・
とりあえず、着替えて来なよ・・
ほら、次経済史まで、1回開くだろ・・・
それまでに干しとけば渇くかもしんねぇし、
俺・・・ほら、あの奥・・・
俺さいるから
着替えたら、おいでよ
俺も経済史まで空いてるから」
と言って、俺はリンの顔を見ずに、そのまま
奥へ歩いた
そして、歩きながら、
ただただ、自分のこの会話と
そして、今の行動に反省していた
もうちょっと・・・愛想のいいことができただろうに
今思えば、若さが邪魔してただけなのかもしれないけれど・・・
そう、これが、
俺とリンの初めての会話だった・・・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1375人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
aya(プロフ) - 紫姫さん» ほんとに、その通りです笑 紫姫さんお疲れ様です！ (2019年7月23日 0時) (
レス) id: 3c3d254d07 (このIDを非表示/違反報告)
紫姫(プロフ) - のんさん» ありがとうございます。あははどっちに転がそうか、この時点では少し悩んでおりまして。まだ悩んでます・・え？書いててよく寄り道しちゃうんです私ｗ (2019年7月22日 23時) (レス) id: 126fa04e95 (このIDを非表示/違反報告)
紫姫(プロフ) - yuri125さん» おおっｌオールドミスいましたかｗ。もうまさに、その方です。ｗ学校あるあるです (2019年7月22日 23時) (レス) id: 126fa04e95 (このIDを非表示/違反報告)
紫姫(プロフ) - ayaさん» 思春期男子の汗臭い、この想い書いてて、自分でも笑えてきますｗ性別もちがえば、年齢も違う、よく書いてるな紫姫って自分で褒めてますｗ (2019年7月22日 23時) (レス) id: 126fa04e95 (このIDを非表示/違反報告)
のん(プロフ) - どっちに進んでも面白い展開になりそうですねぇ。 (2019年7月20日 12時) (レス) id: c3a42504dc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：紫姫
| 作成日時：2019年7月1日 23時
