15 ページ15
席に戻ろうとする武井
「あ・・武井」
「何だよ」
「ありがと」
そう言うと
照れ臭かったのか、下を向いて、手だけ軽くあげた
武井ねぇ
本当、いいやつだし、
実際、結構男前なんだけどね・・・
でも、私の中では
2年前に別れた亮介のことが、心のどこかで
いまだ引っかかっていて
前に踏み出せずにいた・・・
学生時代から、付き合って3年、
このまま順調にいけば、・・・・たぶん、結婚していたのかもしれない
だけど、卒業してからというものの、
私の生活は、朝早くて、夜遅くまで仕事
土日にの休みは、勉強で費やし
あとは、情報を集める週末
そりゃ、こんな生活を2年続けていたら、
亮介の方から、
「Aには、
俺じゃない方がいいんじゃな
こんな性格だとは思ってなかった・・・」
って・・・
何が悪かったのか、当時の私にはわからなかった
だって、自分に精一杯で・・・必死だった
きっと、この仕事をしている以上・・・
私に会う男なんていない・・・
私は、PCを閉じ
シャットダウンを確認し、
立ち上がった・・・
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「ただいま〜」
キャンキャン
帰宅すると、
ゲージの中でここぞとばかり飛び跳ねるタラコ
「ごめんねぇ、遅くなっちゃったね」
そう言って、ゲージに近づき
ゲージから出してあげる
そうだよなぁ、
一日、タラコは朝早くから、夜遅くまで、
このゲージにいるんだもん
可哀そうなことしてるよなぁ
私じゃなくて、定時に帰れるOLに飼われていたら、
この子はもっと幸せになってたんじゃないだろうか
そもそも、幸せって何？
わけわかんない・・・
意味もなく泣けてくる
きっと、今日はいろいろありすぎて
疲れたんだ
それを、タラコが、ペロっとなめる
「くすぐったいよ、タラコ」
それこそ、私が今みたいに、癒されたいだけに
タラコをしばりつけているのじゃないだろうか・・・
私はタラコを抱き上げた。
「私といる必要があるの？って思ってない？」
私は、首を横に振った。
人の相性なんて・・・
さまざまだ・・・
亮介とはきっと、相性が合わなかっただけ・・・
「タラコっ、ごはんにしよっか」
そう呼びかけると、嬉しそうに尻尾を振ってくれた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1056人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
のんちん(プロフ) - (//∇//) (2019年5月4日 20時) (
レス) id: 84e198f775 (このIDを非表示/違反報告)
紫姫(プロフ) - Sara xxxさん» いつもありがとう♪でも、実のところ、進んでいないというw次章では、がんばりますw (2019年4月5日 6時) (レス) id: 798db29bb2 (このIDを非表示/違反報告)
Sara xxx(プロフ) - あーもう！！翔ちゃん何者！？物語の展開が面白すぎて…。日々の癒しをありがとうございます！ (2019年3月29日 0時) (レス) id: 595e685c95 (このIDを非表示/違反報告)
紫姫(プロフ) - モモさん» モモさんはじめまして？さっきあっちにいませんでしたっけｗいつもありがとうございます、いや、今回は初めての試み、主人公の翔くんが、登場しないという、斬新な作品ｗでも少しずつ、距離が縮まってるような・・・そうじゃないような？お楽しみいただけたらと思います (2019年3月27日 23時) (レス) id: 126fa04e95 (このIDを非表示/違反報告)
モモ(プロフ) - こんばんは。初めまして。紫姫さまの作品に魅了され読み漁ってます！声だけの翔さんに身悶え寸前(笑)更新のたびにお星様押してしまい、毎度投票済みって文字が出てきて１度しか星が押せない事がもどかしい。この先も楽しみにしてます！ (2019年3月27日 23時) (レス) id: 9b95104c8b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：紫姫
| 作成日時：2019年3月4日 22時
