＊ ページ32
「あ・・いや一般論だよ。
・・・もしかして、嫉妬してる？」
「してない」
「ははっ。過去・・・気になる？」
「気にならない」
「なってんじゃん」
「うるさい」
あははは
と笑う声が私にひびく
「別に過去を隠すつもりもないけれど、
これだけ言っておいていい？」
「なに？」
「俺さ、昨日の晩、Aとシたじゃん
初めてさ、全部満たされたって感じがした」
「どういうこと？」
「うーん、言葉でいうのは難しいんだけど、
その、身体だけじゃなくてさ、その瞬間も、終わったあとも、
まぁ、今もなんだけど、心がさ全然違うっていうかさ」
「・・・」
「だから、まぁ、好きな女とそうなるっていうのは、
こういうことなんだってわかったわ」
「？」
「よし、今何時だ？
飯食ったら、出る。」
「え？」
正直もう少しだけ余韻に浸りたかったけれど、
翔の思いっきりな笑顔をみていると、
よほど、その場所に行きたいんだなって思い始め
「わかった、ご飯食べよう♪」
そういって、私はにっこり笑った
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
もともと荷物が少ない私たちは、身軽で
京都駅にもどると、
翔は、嬉しそうに、路線表見ながら、
窓口で切符を買った
行先の駅は、私は聞いたことのない駅で、
翔がどこに行こうとしているのか、まったく見当がつかなった
「電車が出発するまで、少し時間あるから、そこの本屋行ってもいい？」
「いいよ」
私と翔は、駅ナカにある本屋でしばらく時間をつぶすことにした。
中に入ると、
翔と、私は別々の行動を取った。
私は、最初はファッション誌のコーナーにいたけれど、
店内でうろうろしていた
その時、小説のコーナーで
三島由紀夫の「金閣寺」が目に入る
そういえば、翔のいうところの、
「常に完璧な美」は確かめられたんだろうか
私は、心の中で笑いながら、その本を手にして、
パラパラめくる
この間読んだ「春の雪」よりも、少し文章が難しく感じた
そして、パラパラめくって後半、最後のラストのほうまで来た時に、
主人公が、金閣寺から離れ、そして、日本海のほうへと移動するという場面が目に入る
そこで、初めて主人公は金閣寺の完璧な美を感じる
・・・
・・・
今から、乗る特急は、明らかに日本海の方面だ
・・・
・・・
翔はまだ「完璧な美」を確かめたいんだろうか
私は、そっと本を閉じ、元にあった戸棚へと直した
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紫姫(プロフ) - Sara xxxさん» やったwへへっ。この過去ありきの10年後、しきちゃん頑張りますw (2018年7月29日 7時) (
レス) id: b7a52fdc9b (このIDを非表示/違反報告)
Sara xxx(プロフ) - 紫姫さん〜(T ^ T) もうだめ。泣く。何この胸が苦しくなる展開…。続きを読むべく行ってまいります！！ (2018年7月29日 0時) (レス) id: d71a440a0a (このIDを非表示/違反報告)
紫姫(プロフ) - ケイトさん» ありがとうございます。今回は久しぶりにオリジナルを書いてるので、楽しいです。オトナになった主人公ちゃんの、また違った悩みを描けていけたらと思います (2018年7月27日 7時) (レス) id: b7a52fdc9b (このIDを非表示/違反報告)
紫姫(プロフ) - すりおろし梨。さん» あはは、いつもありがとうございます。お宝回収、ぜひお願いいたします。中には今回はフェイクも入れてますw そう、なんと言ってもあの翔くん、何も無くして離れたりしませんw (2018年7月27日 7時) (レス) id: b7a52fdc9b (このIDを非表示/違反報告)
紫姫(プロフ) - せいこさん» 花火は昼間にするもんですwいつもありがとうございます。若さゆえにを表現したくて、かなり今回は大変でした、なんせ私には遠い昔(;゜∇゜)これから、オトナに気持ちをシフトチェンジしていくので、スタートもしかしたら、慣らすために過去を行ったり来たりするかもです (2018年7月27日 7時) (レス) id: b7a52fdc9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫姫
| 作成日時：2018年6月24日 19時
