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「行ってきます」
玄関で、そう言ったときには、なぜか妙な胸騒ぎがした
「気をつけて、あまり遅くならないようにね」
「わかってる」
そう言って玄関を出たけれど、
もう、なぜだかここへはもう戻って来れない気がして
もう１度振り返り、玄関をみた。
そして、それはきっと気のせいだと言い聞かせ、
横のガレージに置いてある自転車のかごに、
少しだけ膨らんだカバンを入れた
道路に出てから、自転車をこぎ始める
少しずつ春の兆しが見え始めていた。
ただ、まだ海の波は、寒々しく、白い荒波を防波堤にうちつけている
最初は、後ろめたい気もちでいっぱいだったけれど、
次第に久々に今から翔に会えるという気持ちが先走りしはじめ、
どんどんと、自転車をこいで行った。
翔に会ったら、まずななんて言おう。
こんなに翔のことが好きだなんて、思ったことが無かった。
ただ、ただ会いたくて、会いたくて、
好きで好きでどうしようもなくて
私は、ひたすら、通い慣れた通学路を走った。
そして、坂道にさしかかり、私はそのままの勢いで、駆けあがった
たぶん、通学史上最速な勢いだ
３月なのに、朝の光は眩しかった。
その朝日に向かいながら、私はひたすら坂道を登る
そして、ようやく正門の前につくと、
ブレーキを止め、自転車を降りた
膝が一瞬、カクカクと力がぬけ、
思わず、ハンドルをギュッと握り締め、治まるのを少し待ってから、
自転車を押し、門を抜ける
ゆっくりと、自転車を押して中に入ってみると、
いつもなら、グランドで練習をしてる野球部はまだおらず
やけに静かだった
そのまま、裏の自転車置き場に自転車を停め
そして、鍵をぬき、書庫へと向かう
向かっている途中も、いつもならもう少し、人がいてもよさそうなのに誰にも会わない
もしかしたら・・昨日のメールは嘘だったのかもしれない
と、急に不安になってくる
だって、メール自体ももしかしたら、
翔本人だという確信すらない
書庫までの廊下
悪い方へ、悪い方へと考えてしまう自分
廊下をぬけ、
渡り廊下を歩き
非常階段の塀の手すりに手をかける
・・・
もしかしたら、昨日のメールが嘘だったら？
もしかして、翔のお母さんとかが、なりすましてメールしてるってことない？
わかんないよ、
私の中でいろいろと考えてしまう
書庫の窓はここから見えてるのに
部屋の中は確認できない
私は、しばらく、書庫の窓を窺っていた
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紫姫(プロフ) - Sara xxxさん» やったwへへっ。この過去ありきの10年後、しきちゃん頑張りますw (2018年7月29日 7時) (
レス) id: b7a52fdc9b (このIDを非表示/違反報告)
Sara xxx(プロフ) - 紫姫さん〜(T ^ T) もうだめ。泣く。何この胸が苦しくなる展開…。続きを読むべく行ってまいります！！ (2018年7月29日 0時) (レス) id: d71a440a0a (このIDを非表示/違反報告)
紫姫(プロフ) - ケイトさん» ありがとうございます。今回は久しぶりにオリジナルを書いてるので、楽しいです。オトナになった主人公ちゃんの、また違った悩みを描けていけたらと思います (2018年7月27日 7時) (レス) id: b7a52fdc9b (このIDを非表示/違反報告)
紫姫(プロフ) - すりおろし梨。さん» あはは、いつもありがとうございます。お宝回収、ぜひお願いいたします。中には今回はフェイクも入れてますw そう、なんと言ってもあの翔くん、何も無くして離れたりしませんw (2018年7月27日 7時) (レス) id: b7a52fdc9b (このIDを非表示/違反報告)
紫姫(プロフ) - せいこさん» 花火は昼間にするもんですwいつもありがとうございます。若さゆえにを表現したくて、かなり今回は大変でした、なんせ私には遠い昔(;゜∇゜)これから、オトナに気持ちをシフトチェンジしていくので、スタートもしかしたら、慣らすために過去を行ったり来たりするかもです (2018年7月27日 7時) (レス) id: b7a52fdc9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫姫
| 作成日時：2018年6月24日 19時
