２００８年９月 ページ32
「なぁ、お前さ今日はこのまま教室に戻らないつもりかよ」
そう言いながら、古い本に目を通しながら、
回転いすを落ち着きなく右左に揺れながら、
私にそう言った
もう、時間にしたら、２時間目の半ばを過ぎたころだ
悪いことをしているとは、わかっていたけれど、
今の私には・・・帰る勇気はほとんど、無かった
むしろ、この翔の言葉でさっきの出来事が思い出されて、
ギューっと心が締め付けられて
長椅子に座ったまま、私は自分の上履きを見つめていた・・
それを本の上から横目で見た翔・・・
「んだよ・・・そんな世界が終わったみたいな顔してさぁ
おまえらしくねぇーじゃん」
「らしくって、翔から見た私ってどんなよ」
「え？おまえ？」
本を、口元に持っていき、
そして、天井を見る
「んあ・・・無いな・・・」
「何それ、微妙に傷つくんだけど・・・」
そう言うと、
ははは
ははは
と大声で笑う翔
「しーっ、ここに居るのバレんじゃん」
「あぁ、そうだった・・・
俺らは、隠れてるんだっけ？」
「隠れてません」
そう言うと
ぷはーっと、
また吹き出す翔
「そういうところだよ、
橘はさ、いつも周りを良く見てるってとこ。」
「え？」
「そうやって、いつもなら、周りを良く見て行動すんじゃん・・・
なのに、今日は逃げ出した上に、隠れてる？」
フンと、鼻を鳴らした翔
「別にたまたまだよ・・・」
「そ？なら別にいいんですけどね」
そう言って、本を読み始める翔
金髪に、ピアス
なのに難しそうな古い本を読んでいた
「何読んでんの？」
「え？
あぁ、これ？「燃え尽きた地図」っていうやつ、安部工房って言ってさ、このシリーズなかなか面白いんだ」
聞いたことのない題名、
聞いたことのない、作家
でも明らかに古い本だと言うことはわかる。
「都会をさ、砂漠の迷路に例えてるんだけど？」
「砂漠の迷路・・・？」
「あぁ、ま・・・お前にはわかんねぇと思うけど、面白れぇんだって」
そう言って、ニヤリと笑う
「ふーん。本・・・好きなの？」
今まで気がつかなった、翔の意外な部分に私はまるで何かを発掘するかのように
興味を持った
「好き・・・ていうか、俺の中では当たり前なのかもなぁ・・・」
「当たり前？」
「まぁ、いろいろあんだよ、俺も？」
そう言って私を見る
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紫姫(プロフ) - 郁さん» 今日は、頑張るw (2018年5月28日 17時) (
レス) id: b7a52fdc9b (このIDを非表示/違反報告)
郁 - 直していただいてありがとうございます。更新楽しみにしてます！ (2018年5月27日 17時) (レス) id: 4163fcf99c (このIDを非表示/違反報告)
紫姫(プロフ) - 郁さん» わあわあわあわあ、やってしまいましたw見直してたはずなのに、まだ池辺さんいましたねwありがとうございます。今、変更しましたw (2018年5月24日 16時) (レス) id: b7a52fdc9b (このIDを非表示/違反報告)
郁 - 紫姫さんこんにちは。いつも楽しく読ませていただいてます。今後の展開が楽しみです。ひとつ気になることがあって、主人公の名字が途中から、池辺から橘に変わってませんか？お節介だったらごめんなさい。 (2018年5月23日 17時) (レス) id: 4163fcf99c (このIDを非表示/違反報告)
紫姫(プロフ) - せいこさん» 一応、３部で今回は考えてます。２つの物語を書いてる感じになってますwあとは、これを繋げる事ができたら、そのときは誉めてくださいねw (2018年5月22日 5時) (レス) id: b7a52fdc9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫姫
| 作成日時：2018年4月30日 23時
