２０１８年 ５月 ページ27
まどろむベッド・・・
朝日が、カーテンの隙間から注ぎ込み
その中を細かな繊維が漂う
ふわふわと光の中でただようその浮遊物に私は手を伸ばす
手で掴もうとしても、
まるで逃げるかのように空気の中で対流を起こす
ふふ・・・
もう１０年も前のことなのに
あの少しカビ臭い図書館の書庫のあの空間が、
いまだ鮮明に思い出される
私は、軽く指を動かし、
その対流をしばらく楽しんだ。
きっとあの時の私にとって、
全ての世界は、あの学校の中でしかなく、
その世界から、まるで追放された気分だったんだ。
追放され・・・どうすることもできなかった私にとって
あの書庫は、身を隠すことはもちろん、
唯一、ホッとできた場所だったのかもしれない
そして、
まるで、罪人にでもなったかのような私に手を差しのばしてくれたのが
翔だったんだ
私はその手をとることで、
唯一、この世界で仲間を見つけた気がしたんだと思う
指をクルクル回す
でも、
時間が経つにつれて、オトナになり
その世界は、ただの偶像でしかなく、
ただただ、
若さゆえの小さな世界だったんだって気がついたけれど
その小さな世界が
私が今なおこうやって、
鮮明に忘れることができない思い出となっている
「何やってんのよ」
私の横で、
同窓会のはがきを片手に和が話す
「・・神の御光・・・」
「はい？」
あの時そう言って笑った翔・・・
「あ、ううん、ほら、和見て？」
「何？」
「ほらここ・・・ふわふわって・・・」
「は？どれだよ？」
「これ・・・ほら」
そう言って、
私は仰向けに寝てる和の
胸の上に頭を乗せる
「何？」
「光の中でふわふわって」
和の心臓の音と
いつもと違う胸から響く和の声
「あぁ。これのこと？」
そう言って、
私がいる方と反対の手でその光に手をかざす
「ホコリでしょうよ」
その和の言葉に
一瞬、ドキっとする
もう１０年も前に聞いた言葉
「そんなこと言わないで・・・」
「だって、どう見たって・・ほこ・・・」
私はソッと
和にキスをする
突然のキスに
少しだけ目を大きくした和だったけど
フっと笑い
その仰いだ方の手で
私の頭をなでる
好き・・・
だって。もう１０年も一緒のいるんだもん
チュッ
きっとこのまま一緒にいれば
私は幸せだ
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紫姫(プロフ) - 郁さん» 今日は、頑張るw (2018年5月28日 17時) (
レス) id: b7a52fdc9b (このIDを非表示/違反報告)
郁 - 直していただいてありがとうございます。更新楽しみにしてます！ (2018年5月27日 17時) (レス) id: 4163fcf99c (このIDを非表示/違反報告)
紫姫(プロフ) - 郁さん» わあわあわあわあ、やってしまいましたw見直してたはずなのに、まだ池辺さんいましたねwありがとうございます。今、変更しましたw (2018年5月24日 16時) (レス) id: b7a52fdc9b (このIDを非表示/違反報告)
郁 - 紫姫さんこんにちは。いつも楽しく読ませていただいてます。今後の展開が楽しみです。ひとつ気になることがあって、主人公の名字が途中から、池辺から橘に変わってませんか？お節介だったらごめんなさい。 (2018年5月23日 17時) (レス) id: 4163fcf99c (このIDを非表示/違反報告)
紫姫(プロフ) - せいこさん» 一応、３部で今回は考えてます。２つの物語を書いてる感じになってますwあとは、これを繋げる事ができたら、そのときは誉めてくださいねw (2018年5月22日 5時) (レス) id: b7a52fdc9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫姫
| 作成日時：2018年4月30日 23時
