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「ううううん、いいの、こちらこそ、ごめんね、違うものプレゼントさせて？」
と、目を真っ赤にしてるAを見て、俺は側に寄った
「ほんと、ごめん、そういうつもりじゃなかったんだ」
そう言って、しゃがんで、その2番目の引き出しを開けようとしたと同時に
「あ・・・」と声を出したA
俺はその引き出しをみて、一瞬止まってしまった
「何これ・・・」
その引き出しの中には、10個のブランドは違えども、ほぼ同じ大きさの
紙袋が綺麗に並べてあった
俺は思わず、その紙袋を手にとり、中の小さな箱を開けた
え・・・
そして、また、ひとつ手にとり、
そして、箱を開ける
これもだ
確認するように、
10個全ての箱を開けていくと
それは、どの箱にも、いろんな色や、形のカフスが一組ずつ入っていた
「何これ・・・」
俺は、もう一度同じ言葉をAに問いかけた
Aは目を真っ赤にしたまま
「今まで渡せなかった翔くんの誕生日プレゼント・・・」
そう言ってうつむいた
え・・・
１０個ってことは
「俺と初めてあった
あの時の歳の誕生日から・・・ってこと？」
コクンと頷いたA
「もう2度と会うことは無いって思ってたんだけど、
ＴＶとか見てて、
あのネクタイには、こんなカフスが似合うだろうなって・・・
バカだよね私」
「渡せないのに？」
「そう、渡せないのに・・・会えないのに
ただ自己満足なだけ」
俺は思わず、Aを抱きしめた
俺の？
俺の為に？
「１０個ってことは、10年も俺のこと思って１人で祝ってくれていたってこと？」
「・・・そう
だって・・・私に幸せを与えてくれた人だから」
「りょう・・・か」
「・・・うん
今はそれだけじゃないけど」
俺はこれでもかっていうくらい、Aをさらに抱きしめた
「はははは、
ありがとう・・・
あぁぁ、マジでうれしいんですけど」
俺はバカだ
カフスの男はつまり自分な訳で、
俺は、俺自身と戦っていたんだ
Aは、10年も俺のことを2度と会えないだろうとわかってながら思い続けて
渡せずにいた9個のカフスとさらにさっき新しく加わったカフスをこうやって引き出しにしまっていたんだ
「翔くん・・・
お誕生日おめでとう・・・・」
それは、10年にして初めてAが伝えた言葉を
俺は噛みしめるように
それをそっとキスで受け止めた
ありがとう
そして
愛してる
と、その唇に込めて
fin
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紫姫(プロフ) - ともさん» ありがとうございます。この作品は２時間くらいで書き上げちゃった分なので、何だろうテンポがいいながらも。相変わらずの残念な翔くんが１人ただただ右往左往 してるだけという話何ですが、紫姫も好きですwww. (2018年5月11日 7時) (
レス) id: b7a52fdc9b (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - もぉー感動で号泣です(*≧∀≦*)翔くんの嫉妬が何だったの？って感じで(笑)奥さんはずーっと翔くんを愛していたんですね( 〃▽〃) (2018年4月28日 16時) (レス) id: b4753fc97a (このIDを非表示/違反報告)
紫姫(プロフ) - じぇいめろさん» 感動していただいて、ありがたき幸せwこの二人は意外と強めの絆がありそうで無さそうで、不器用な夫婦なんですw (2018年2月3日 20時) (レス) id: b7a52fdc9b (このIDを非表示/違反報告)
じぇいめろ(プロフ) - 紫姫ちゃん、忙しくて中々ツクール読みに来れなくて、やっとHB企画読めました。わーん(T_T)感動だわ。ホント素敵なお話でした。10年の想いがちゃんと届いてほんと良かったー (2018年2月1日 22時) (レス) id: f44993a33c (このIDを非表示/違反報告)
紫姫(プロフ) - yuriyuriさん» あはは、かわいいをたっぷりどっさり、切なさをスパイスに詰め込みましたw (2018年1月29日 5時) (レス) id: b7a52fdc9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫姫
| 作成日時：2018年1月24日 6時
