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2人話して歩いた時間は、長かったようで短く感じた。
いつの間にか私の家の前に着いてて、部屋まで行くよって、隆二は玄関までついてきてくれた。
「送ってくれてありがとね。隆二も気をつけて。」
「うん。」
「家着いたら連絡して?」
「俺のこと心配してくれんの?」
「そりゃ事故ったりしたらイヤだもん。」
嬉しいなぁって、嬉しそうに笑うから、私も自然と笑顔になった。
こうやって、人の気持ちは移り変わるものなのかなって。
少しずつ隆二を好きになれたら……なんて思う。
「じゃあ家着いたら電話する。」
頷いて、バッグから鍵を取り出して玄関を開けた。
振り向いて、おやすみって言えば、隆二もおやすみって優しい声で言う。
隆二との仲が壊れずにすんでよかったと、安堵しつつ、玄関に足を踏み入れた。
ドアを押さえて振り向くと、思いのほかそばにいた隆二。
「…A」
名前を呟いたかと思ったら、次の瞬間には、キスをされていた。
まさかの不意打ちキスに驚いて。
ドアを押さえていた手が力をなくす。
ゆっくり閉まるドアと共に、隆二は玄関の中に入ってきて。
この展開に軽くパニックを起こす私を、ぎゅっと抱きしめる。
BARの前とは違う。
髪を優しく撫でてくれて、全身で気持ちを伝えようとしてくれる。
「俺マジで好きだよ。」
そう言って隆二は髪にキスをした。
まっすぐぶつかってくる隆二にだから、私もちゃんと、向き合いたいと思った。
「隆二、私……まだ、忘れられてない。好きなままなの。」
「言ったじゃん俺、無理に忘れなくていいって。でも、いつまでも好きでいられんのは困るから、俺が頑張るよ。」
「……隆二…」
「もう自分を抑えんのはやめる。だから、俺のこと男として意識してよ。すぐにとは言わないから、ゆっくりさ。」
私のペースに合わせてくれるとこ、隆二らしい。
隆二のそういうとこ、ほんと好きだなぁ。
心がほっこりして、隆二を見上げたら、目と目が合った。
「その顔すげー好き。」
囁くように言った隆二は、もう一度キスを落とす。
思わず隆二の服を握ったら、ほんの少しだけ私を抱く腕に力を込めてきて。
「これ以上は俺、抑えんの無理かも。」
「隆二?」
「もっとしたいけど、それはAの気持ち待ってからにする。」
その日の夜、家に着いた隆二と電話で少し話して、気持ちよく眠りについた。
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くるみ(プロフ) - atokさん» atokさんお待たせしました。atokさん的にはおいしい展開になってきましたよ。あー、流されちゃう(笑) (2019年4月8日 20時) (レス) id: b2014868ec (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - 白雪さん» 白雪さーん!お待たせしました。やだ、白雪さんの怒りが爆発しちゃってますね(笑)どうしよう…この先ちょっと白雪さんの反応が怖いというか楽しみというか(笑)また待ってますよー。 (2019年4月8日 20時) (レス) id: b2014868ec (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - 名無し49962号さん» 名無し49962号さんお待たせしました。ドキドキしていただけて光栄です。なにかと切ない場面ばかりなので、そういった声を聴けて安心しました。こちらこそコメントありがとうございます。 (2019年4月8日 19時) (レス) id: b2014868ec (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - ねーやんさん» ねーやんさんお待たせしました。先の妄想はいかがですか?お話の内容と合ってたかな?(笑)優しい隆二だから……どう動くんでしょう(笑) (2019年4月8日 19時) (レス) id: b2014868ec (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - yuさん» yuさんお待たせしました。課長にイライラしちゃってます?(笑)ほんと言葉足らずな人で…糸は絡まるばかりです。そんな課長をどうぞこれからも見守ってあげてください。 (2019年4月8日 19時) (レス) id: b2014868ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:くるみ | 作成日時:2019年1月24日 23時