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上半身を脱いだ臣は私が持つスウェットに手を伸ばして目だけで見上げてきた。
「……なにその顔。」
「え？」
「さすがにこんな状態じゃ無理だろ。」
「なにが？」
「……抱いてほしそうじゃん。」
「はぁぁ！？」
なに言ってんの！？
ていうか、私どんな顔だったの！？
もー、最悪。
「もういいから、仕事に戻れ。ありがとな。」
「下のコンビニでなにか買ってくる？」
体冷やすもの何もないよね。
薬も飲まなきゃ。
「お前打ち合わせあるんだろ？かまってないで仕事戻っていいから。」
「こんなときくらい素直に甘えたらいいのに……かわいくない。」
せめて冷たいタオルはあったほうがいいよね。
そう思って脱衣所に向かって歩く私の後ろで、臣は小さく、俺だって…と呟いてた。
甘える相手が違うのか、誰にも甘える気がないのか、私にはわからない。
脱衣所で備え付けのフェイスタオルを濡らして、ぎゅっと絞って、また部屋に向かった。
とっくにズボンも着替えた臣は毛布を首までかぶって目を閉じていた。
タオルをそっとおでこに乗せてあげた。
いきなり乗せたから、驚いて体をビクッと反応させる。
「……きもちい。」
そう呟いて、タオルにまだあてていた私の手を、臣は力なく握った。
払いのけることもできるくらいの力なのに、そんなことしたくなかった。
少しでも触れていたくて。
自分の心を満たしていたかった。
けれど、それと同時に湧き上がるのは、小百合さんへの罪悪感。
それを少しでも消したくて、
「…小百合さんに来てもらう？連絡しとこうか？」
思ってもないことを私は口にした。
大丈夫、傷つくことには、慣れたから。
「……お前がすることじゃないだろ。」
「そうかもしれないけど、このまま一人じゃ…」
「……待ってるから……残業なしな。」
「え？わたし？」
「俺、病人……おまけに上司。たまには労われ。」
「……労わってください、看病してください、でしょ？」
ふふって鼻で笑った臣は薄く目を開けた。
目を合わせたあと、また手を握りしめてきて。
「……看病してください。」
弱々しく微笑んだ。
素直に甘えてくれたのが嬉しくて
やっぱりあなたがいいと、心が泣いてる。
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くるみ(プロフ) - atokさん» atokさんお待たせしました。atokさん的にはおいしい展開になってきましたよ。あー、流されちゃう(笑) (2019年4月8日 20時) (
レス) id: b2014868ec (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - 白雪さん» 白雪さーん！お待たせしました。やだ、白雪さんの怒りが爆発しちゃってますね(笑)どうしよう…この先ちょっと白雪さんの反応が怖いというか楽しみというか(笑)また待ってますよー。 (2019年4月8日 20時) (レス) id: b2014868ec (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - 名無し49962号さん» 名無し49962号さんお待たせしました。ドキドキしていただけて光栄です。なにかと切ない場面ばかりなので、そういった声を聴けて安心しました。こちらこそコメントありがとうございます。 (2019年4月8日 19時) (レス) id: b2014868ec (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - ねーやんさん» ねーやんさんお待たせしました。先の妄想はいかがですか？お話の内容と合ってたかな？(笑)優しい隆二だから……どう動くんでしょう(笑) (2019年4月8日 19時) (レス) id: b2014868ec (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - yuさん» yuさんお待たせしました。課長にイライラしちゃってます？(笑)ほんと言葉足らずな人で…糸は絡まるばかりです。そんな課長をどうぞこれからも見守ってあげてください。 (2019年4月8日 19時) (レス) id: b2014868ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くるみ
| 作成日時：2019年1月24日 23時
