120 ページ22
.
「菜美ちゃん、哲也さんが飲み会やろうって。」
「え、飲み会ですか?」
「うん、だから哲也さんと話してみて?」
「やーったー。あとで行ってこよう。」
サロンに居た菜美ちゃんに伝えると、嬉しそうにしてる。
私にもなにかいい事ないかな。
事務所に入ると、タッチの差で入ってきた臣。
「A、ちょっと。」
声をかけながら横を通って自分のデスクに行く。
椅子に座って、私が行くのを待ってる。
こっちをじっと見て。
「………Aです。」
「……だから?」
「公私混同はするべきではないと私も思います。」
「今は誰もいないだろ。」
「……私はイヤです。名前で呼ばれるのも、お前って呼ばれるのも………もうイヤです。」
「…………わかった。A、お前……Aに頼みたい仕事があるから、聞いてほしい。」
「はい。」
私がデスクまで行くと、臣はちらっと見上げて一息ついた。
めんどくさいんだろうな、私。
これじゃあ拗ねてるって思われても仕方ないもん。
けど自分を抑えることなんかできない。
ほんと、子どもみたいだね。
「夏に出すパンフレットを、Aメインで作ってほしい。忙しいのはわかってるけど、俺もフォローするから。」
「6月には原稿仕上げですよね?」
「そうだな。これが俺の最後の仕事になるから、Aと一緒にって、考えた。」
「わかりました。最高のパンフレットが出来るように精いっぱい頑張ります。」
「いい返事が聞けてよかったよ。あと、これ重要なことなんだけど……」
「なんですか?」
「今回のパンフレット、ブライドとコラボすることになったから。」
「……ブライド……」
「上が味しめたんだろうな、ブライドの名前使って注目浴びんの。」
「課長……その言い方。」
「俺はこういうやり方好きになれねぇの。まぁいいや、とりあえず来週ブライドと打ち合わせあるから、予定開けといて。」
ブライドと聞いて、すぐに浮かんだ隆二の顔。
元気かな、最近会ってないけど。
その夜、仕事が終わって足を運んだのは、健ちゃんのBAR。
「健ちゃん、久しぶり。」
「おー、いらっしゃい。」
ここに来れば隆二に会えるかなって、心のどこかで期待してた。
1071人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「芸能人」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
くるみ(プロフ) - atokさん» atokさんお待たせしました。atokさん的にはおいしい展開になってきましたよ。あー、流されちゃう(笑) (2019年4月8日 20時) (レス) id: b2014868ec (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - 白雪さん» 白雪さーん!お待たせしました。やだ、白雪さんの怒りが爆発しちゃってますね(笑)どうしよう…この先ちょっと白雪さんの反応が怖いというか楽しみというか(笑)また待ってますよー。 (2019年4月8日 20時) (レス) id: b2014868ec (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - 名無し49962号さん» 名無し49962号さんお待たせしました。ドキドキしていただけて光栄です。なにかと切ない場面ばかりなので、そういった声を聴けて安心しました。こちらこそコメントありがとうございます。 (2019年4月8日 19時) (レス) id: b2014868ec (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - ねーやんさん» ねーやんさんお待たせしました。先の妄想はいかがですか?お話の内容と合ってたかな?(笑)優しい隆二だから……どう動くんでしょう(笑) (2019年4月8日 19時) (レス) id: b2014868ec (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - yuさん» yuさんお待たせしました。課長にイライラしちゃってます?(笑)ほんと言葉足らずな人で…糸は絡まるばかりです。そんな課長をどうぞこれからも見守ってあげてください。 (2019年4月8日 19時) (レス) id: b2014868ec (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:くるみ | 作成日時:2019年1月24日 23時