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私の手を離して臣はやっとデスクから起き上がった。
すごくダルそうで、見てるこっちが辛い。
「こんくらい寝てりゃ治んだろ。病院なんか必要ねぇよ。」
「そういうの屁理屈って言うんだよ？」
「……今はお前と言い合う気力もないんだけど。」
「なら早く帰って寝てください。」
「……悪い。」
デスクに手をついて立ち上がった臣はいつになく弱々しく見える。
だから、手を差し伸べたくなった。
臣の腕を握って。
「エントランスにタクシーつけてもらうね。」
そう言ったら、いい、って呟いた臣。
「……部屋までついてきて……」
ダルすぎ、と続けた臣は私の肩におでこをコツんと乗せてきた。
荒い息遣いがすぐ耳もとで聞こえる。
こんな状況なのに、ドキドキ胸が騒がしい。
ダメ、この人にドキドキしたらダメ。
臣には小百合さんがいるんだから。
気持ちをぶり返したらダメ。
そう、必死に言い聞かせた。
「臣、部屋行こう？」
「……うん。」
デスクの下に置いてあった臣の鞄を持って、久しぶりに入った１３１２号室。
景色も部屋の匂いも、なにも変わらない。
変わってしまったのは、私と臣の距離感。
部屋に入ればすぐにキスをしていたあの頃を思い出して、少しだけ胸が痛む。
今はベッドになだれ込むように倒れる臣の姿を見てるだけ。
まだこの部屋に来るのには早すぎたみたい。
そんなことを考えていたら、臣は毛布の上にスーツのままうつ伏せで動かなくなった。
「ねぇ、スーツ脱がなきゃ。シワになっちゃう。」
「……めんどい。」
「わがまま言わないで。スウェットどこ？」
シャワーを浴びたあと、いつも着ていたグレーのスウェット。
「……そこら辺。」
「もー、そこら辺じゃわかんないよ。」
文句を言いつつ部屋中を探して回ったら、脱衣所の洗面台の上に畳んで置いてあった。
言葉は雑なのに、内面は几帳面な人。
スウェットを持って部屋に戻って、臣の背中をポンポンと叩いた。
「スウェット持ってきたから着替えて？」
「んー……」
唸りながら起き上がった臣は、またダルそうに上着を脱いだ。
ネクタイを雑にはずして、ワイシャツのボタンを一つずつはずしてく。
少しずつ見えてくる白い肌から、目が離せなかった。
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くるみ(プロフ) - atokさん» atokさんお待たせしました。atokさん的にはおいしい展開になってきましたよ。あー、流されちゃう(笑) (2019年4月8日 20時) (
レス) id: b2014868ec (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - 白雪さん» 白雪さーん！お待たせしました。やだ、白雪さんの怒りが爆発しちゃってますね(笑)どうしよう…この先ちょっと白雪さんの反応が怖いというか楽しみというか(笑)また待ってますよー。 (2019年4月8日 20時) (レス) id: b2014868ec (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - 名無し49962号さん» 名無し49962号さんお待たせしました。ドキドキしていただけて光栄です。なにかと切ない場面ばかりなので、そういった声を聴けて安心しました。こちらこそコメントありがとうございます。 (2019年4月8日 19時) (レス) id: b2014868ec (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - ねーやんさん» ねーやんさんお待たせしました。先の妄想はいかがですか？お話の内容と合ってたかな？(笑)優しい隆二だから……どう動くんでしょう(笑) (2019年4月8日 19時) (レス) id: b2014868ec (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - yuさん» yuさんお待たせしました。課長にイライラしちゃってます？(笑)ほんと言葉足らずな人で…糸は絡まるばかりです。そんな課長をどうぞこれからも見守ってあげてください。 (2019年4月8日 19時) (レス) id: b2014868ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くるみ
| 作成日時：2019年1月24日 23時
