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「でも、長引かなくてよかったね。」
「マジで、ありがとな。」
「うん。」
微笑みあって、見つめあって。
恋人かのような、甘い空気が私たちを包んだ。
「Aは？平気？」
そう言いながら、臣はふいに手を伸ばしてきて、私のほっぺに触れた。
風邪なんか引いてないのに、顔が熱くなる。
「うん……平気。」
「……よかった。」
ほっぺに触れた手が、そのまま耳にかかる髪を撫でてくる。
それと同時に、どちらからともなく、キスをした。
軽く触れたあと、一度離れて、お互い照れ笑いを浮かべて。
またキスをして。
毛布のなかで、ぎゅっと抱きしめてくれる臣の温もりを、ずっとカラダに残しておきたいと思った。
「もう一回する？」
「えっ？」
私が着てるバスローブの紐を引こうと手をかけた臣は、サイドテーブルの時計に目をやった。
そして、その手をぱっと離すと、ため息をついた。
「ダメか。時間やべぇ。」
「……シャワー浴びていい？」
「いいよ、お前も急がないとマズイわ。」
乱れたバスローブを直してベッドをひと足先に出た。
時間の問題じゃなくて、もっと重要なこと、臣は忘れてるのかな。
恋人の存在を、頭に浮かべたりしないのかな。
こんなことをして、私は小百合さんへの罪悪感が今になった溢れているのに。
シャワーを浴びて、浴室のドアを開けると、目の前には臣が鏡の前に立ってた。
めんどくさそうに歯磨きをしてる。
臣が歯磨きしてるとこ初めて見た。
スウェットの袖を握りながら歯ブラシを持つ姿、なんて可愛いのって、また好きになっちゃうよ。
思わず見入っていたら、鏡越しに目が合って、臣はにやりとしてこっちに振り向いた。
「お前の誘惑に負けそうなんだけど。」
「誘……惑？」
「早く拭かないと風邪ひくぞ。」
洗面台に置いていたバスタオルを臣は私の体にかけて、歯磨きをしたままバスルームを出ていった。
……なんてこと。
もう何度も見られてる体だけど、あんなにまじまじと見られると恥ずかしすぎる。
「Aー、俺もシャワー浴びるから早くしてー。」
「……うん、すぐ出る。」
恥ずかしいけど、とってもいい朝を迎えられた。
神様がくれた、つかの間の幸せ。
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くるみ(プロフ) - atokさん» atokさんお待たせしました。atokさん的にはおいしい展開になってきましたよ。あー、流されちゃう(笑) (2019年4月8日 20時) (
レス) id: b2014868ec (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - 白雪さん» 白雪さーん！お待たせしました。やだ、白雪さんの怒りが爆発しちゃってますね(笑)どうしよう…この先ちょっと白雪さんの反応が怖いというか楽しみというか(笑)また待ってますよー。 (2019年4月8日 20時) (レス) id: b2014868ec (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - 名無し49962号さん» 名無し49962号さんお待たせしました。ドキドキしていただけて光栄です。なにかと切ない場面ばかりなので、そういった声を聴けて安心しました。こちらこそコメントありがとうございます。 (2019年4月8日 19時) (レス) id: b2014868ec (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - ねーやんさん» ねーやんさんお待たせしました。先の妄想はいかがですか？お話の内容と合ってたかな？(笑)優しい隆二だから……どう動くんでしょう(笑) (2019年4月8日 19時) (レス) id: b2014868ec (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - yuさん» yuさんお待たせしました。課長にイライラしちゃってます？(笑)ほんと言葉足らずな人で…糸は絡まるばかりです。そんな課長をどうぞこれからも見守ってあげてください。 (2019年4月8日 19時) (レス) id: b2014868ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くるみ
| 作成日時：2019年1月24日 23時
