俺たちのために ページ13
「生きる目的をなくした? 何言ってんだよ。 皆なぁ、生きる目的を見つけるために生きてくんだよ。 そんな人を殺すために生きてきた今までの人生なんて捨てやがれ。 もっと楽しく生きろよ」
「中也、気持ちは分かるが、此処ではなく別の場所で話そう」
中也は怒りで顔を真っ赤にしている。 治が中也と私を、自分達の部屋に引っ張り込んだ。 睨み合う私と中也。 部屋の扉は閉められている。
『楽しく生きろって! どうすれば良いの? 私が今までどんな思いでポートマフィアで人を殺してきたと思ってるの? どんな思いで・・どんな思いで此の潜入任務をしてきたと思っているの? 幸せそうに笑っている子どもたちを見ながら。 辛かった。 私も過ごしたかった、こんな青春を。 私が手に入れられなかった幸せな高校生活、学生生活を皆が当たり前のように謳歌して。 当たり前のように過ごすはずだったのに。 普通に友達と学校へ行って、部活をして、彼氏を作ったり、デートしたり、テスト勉強をしたり、色んな事をしたかった!
それを奪ったのが、八重桜。 直接の元凶は朱莉さん、否、山本むつみ。 両親を殺した奴を憎んで憎んで、其奴を殺すために今まで必死にマフィアで生きてきて、人殺しをして・・・。
何の為にこれから生きていけば良いの? もう、無理だよ。 友達だって思えたのに、少しの間でも、普通の高校生として生きていけると思ってたのに。 信じていた朱莉さんに裏切られるなんて・・・』
言いたいことが纏まらず、ぐちゃぐちゃな文章なのは許して欲しい。
「仇を討つ為の人生なんて虚しいだけだろ? 今は生きる目的がなくてもいい。 これから見つけていけば良いんだから。 俺の為に生きろよ」
『はァ?』
どんだけ自己中なわけ?
「正確には、手前のことを大切に思ってる奴らの為に生きろ」
私のことを大切に思っている人なんて・・・。
『誰がいるの? 親も、友達もいない私を誰が大切に思ってくれているの?』
「沢山いるだろ。 ポートマフィアや、探偵社の連中。 赤城や、夏樹も。 そして、手前の死んだ両親も」
ポートマフィア、探偵社、赤城や、可憐ちゃん?
『本、当に?』
「当たり前だ」
『私が生きていれば、皆嬉しい?』
「勿論じゃないか。 大切な君が生きているだけで、皆幸せさ」
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なすび(プロフ) - りとのおへやさん» 有難うございます! これからもそう言っていただけるよう、頑張りますね! (2019年6月2日 21時) (レス) id: 6cdc79c834 (このIDを非表示/違反報告)
りとのおへや(プロフ) - めちゃめちゃ良かったです!中也オチマジで神!!!本当に、こんな神作品を読ませていただけて感謝しかないです! (2019年6月2日 20時) (レス) id: 534e38ce7a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なすび | 作成日時:2019年1月30日 21時