【文スト】 死んだら 天国に来ました(私にとっての) ですがそこには、要らない奴までがついてきましたpart２

芥川君 ページ34

さて、１年経ちまして。 治と中也は十八。 私は十六歳。

　言いたい事は解りますか？

「遂に、黒の時代かぁ・・・」

　感慨深いなあ。 もう十六年も此の世界で生きてきて、前世より長い時間此処で過ごしてるんだ。

「やあ、A」

「ん？ 嗚呼、治と・・・」

　後ろに黒い影が見える。 そう言えば、昨日は治が幹部に就任した。

　と言う事は・・・。

「嗚呼、芥川龍之介君だ。 ほら、挨拶」

「僕は芥川。 妹の銀も、よろしく頼む」

「・・・あああああああああああああああああああ！！」


　龍くん！ 皆大好き龍くんこと、芥川龍之介だ!

　 まって、銀ちゃんは？ 銀ちゃんは？

「銀ちゃん、龍くん。 待て尊い、鼻血出る」

「龍くん？ 尊い？ 鼻血？」

「可愛いかよ」(気にしないで!)

　あ、引いた目で見たな？ お姉さんの事引いた目で見たな!

　・・・お姉さん？

「あ、同い年じゃん」

「僕と、同い年？」

「宜しくお願いします、芥川君」

「あ、ああ。 よろしく頼む」

　と、芥川君が言い切ったところで

　 スコーン と、小気味よい音が聞こえた。

「え？」

　芥川君が頭を押さえている。

「ちょ、大丈夫!？ 治!」

「芥川君、丁度良いから覚えておくと良い。

　Aは私のものだ。 そして、首領のご令嬢だ。

君如きが気安く喋っても、触れても、ましてや恋に落ちても良い存在ではない。

　覚えておき給え」

　此奴ゥゥ！ 何芥川君に私への恐怖心植え付けてるんだ!

「否、気安く喋って？ 何なら治なんかより可愛がっちゃうから。 て言うか、私は治のじゃないし」

「はあ」

「A！」

「治!」

「何でそういうこと言っちゃうかなあ。 私は、芥川君が君に恋しないように」

「私なんかにしないだろうし、治には関係ないでしょ! 私は芥川君。 否、龍くんと仲良くなりたいの!」

　そしてあわよくば、羅生門で遊ばせて欲しい。

「あ、あの」

「「何!」」

「僕は、如何すれば」

「私の主張通り、仲良くして？ 治より立場は一応上だから」

「否、私は君の教育係だ。 私の」

「私だよ!」

「否、私が!」


　・・・翔真、ヘルプ！

「どうされましたか!」

　ほんまに来たんかーい！

「いや、A呼んでないじゃん」

「呼んだよ？」

「何時？」

「さっき、心の中で」

「こわっ」

　同感。

「A様の言うとおりで、ね？ 太宰君」

「・・・はい」

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