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ポジティブな思考をしよう? 死にたくないもん ページ27

「翔真の資料、読んだ?」

「翔真さんの資料?」

「そう。 翔真の過去についてだよ」

「知らね。 教えて」

「読んどいてよ、それくらい」

「へいへい、さーせん」

  うざい。 もう教えてやんない


 ただ、画面の前の皆さんには説明しよう。


 昔、或る孤児院に大層美しい金髪の少年が連れてこられた。 その孤児院は、教会が運営していた。少年の世話をしていたのは若く美しいシスターだった。 少年は幸せだった。 親がいなくても、自分はシスターや孤児院の皆がいる。 孤独じゃない、と毎日院長である神父に言っていた。
少年は、そのシスターに何時しか恋心を抱き始めた。


 その恋心は、抱いてはいけなかった。 何故なら、そのシスターは海外の犯罪組織の人間だったから。 孤児院でシスターとして働きながら、見目のいい少年や少女を攫って人買いに売っていた。 少年も標的となった。 少年が十一になった日、シスターは少年を攫おうとした。 少年は抵抗した。 然し、碌に護身術も習っていない少年が、女とはいえ、犯罪組織の人間に勝てるはずがなかった。 シスターは遂に刃物まで出して少年を切りつけた。 その時の傷はまだ、彼の腹に深く残っている。

 その時の経験から少年は、心を閉ざしてしまった。 そして、孤児院を抜けだした。



 此処からは私の推測だけど、翔真は誰かに依存しないと生きていけない。 翔真はシスターに異常ともいえるほどに依存していたらしい。 それを、今はマフィア、否、私に向けている。

 翔真はきっと、私の為ならなんだってする。 自分の命を投げ出すことすら厭わないだろう。


 それが危険なのだ。 それを持ったまま、光の世界に一歩出れば・・・。



 だから


「翔真は此処に置いていく」


「護衛どうすんだよ」

 私は黙って歩を指さした


「いや俺かよ」

「それ以外に誰がいるの?」

「俺とだったら絶対死ぬぞ?」

「もうちょっとポジティブな考えをしよう? 若しかしたら死なんかもしれんが」


 ね? 実の親子だよ?

「死なんかもって、お前なあ」

「何の話をしているんだい?」


 え?
 

前言撤回。 死ぬかも→←歩、君もか



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なすび(プロフ) - 猫夜桜((シラキさん» いや、それほどでもないですよ。 有難うございます! (2019年1月21日 16時) (レス) id: 5cd55af429 (このIDを非表示/違反報告)
猫夜桜((シラキ(プロフ) - おっふ………おっふ………、とずっと言ってましたwいやもう本当に可愛いかっこいい好きおっふ← (2019年1月21日 14時) (レス) id: 4588ab3ba5 (このIDを非表示/違反報告)
なすび(プロフ) - 白波心さん» ありがとうございます。頑張ります! (2018年10月12日 7時) (レス) id: c91b5315aa (このIDを非表示/違反報告)
白波心(プロフ) - 頑張って下さい。私もたまに、オリフラの事忘れて怒られます。 (2018年10月11日 20時) (レス) id: 4a6ed9dad0 (このIDを非表示/違反報告)
なすび(プロフ) - 琥治*こはる*さん» ありがとうございます!、また、フラグまで気にかけていただき、本当に感謝です。これからもお付き合いのほど宜しくお願いいたします。評価、ありがとうございます (2018年10月1日 20時) (レス) id: b6afd4fed3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なすび | 作成日時:2018年10月1日 19時

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