第73話 悩み続ける豚 ページ26
side tonton
書記長室は窓硝子がぶち壊れている為、空いた部屋にぼんさんとおらふくんを案内する。
部屋に入ったのを確認し、俺はグルさんに念話を入れた。
gr[此方、グルッペン]
tn「グルさん、チーノとゾムから話は聞いとるな?」
gr[あぁ、諸々については今日の夜会議をするつもりだ]
tn「了解」
念話を切り、一息つく。
...それにしても、マジでギリギリやったなアレは。
サラッと悪意の無い暴露される所やったわ。
先程のやり取りを思い返す。
ふうはや君の言葉を物理で遮った事によって、Aさんにはだいぶ怪しまれた筈だ。
tn「(...俺のバカ。あんな怪しさ全開な事しといて、まだ正体言うのが怖いんか)」
まだ数ヶ月、されど数ヶ月。このままだと一生言わないかもしれない。
彼女は年齢まで明かしてくれたのに、俺は一番大事な事を隠してるのだ。
『...さん、トントンさん』
tn「ハッ!!...あ、なっなんですかね?」
『お茶を容れてきました。後、コレも』
声をかけられた方に勢い良く振り向くと、そこにはお盆を持ったAさんがいた。
お盆の上には、朝容れてくれた緑茶と白い三角の物体が二つ湯気を立てている。
tn「えっと...?」
『此方は“おにぎり”です。お米を炊いて、食べやすいサイズにした物です』
tn「あっ、コレが!?」
お盆の上のおにぎりを受け取り、思わず凝視した。
なんか、だいぶ見た目が違う様な気がする。
『ニグ、そっち配ってくれる?』
ng「はい!」
ニグ君もお盆を持ち、机の上に置く。
それに対しぼんさんは目を見開き、涙目になってかぶりついた。
続く様に、他二人も食べ始める。
bn「っんめぇっ!米だぁ...!」
or「あったかい!」
kn「中になんか...あっ!鮭やん!!プロかぁ!?」
そんな皆をぼんやり見ていると、Aさんが小声で話しかけて来た。
『トントンさんのは、少し大きめにしましたから。食べ応えあると思います』
tn「えっ」
思わず声を上げると、彼女は自分の口元に指を当てる。
彼女の米は量が限られていた筈だ。それなのに、俺の分を多めに作ってくれたというのか。
...っあぁ、ホンマにこの人は。
tn「...有難う、御座います。戴きますっ」
『はい』
おにぎりにかぶりつく。
こっ、コレは...!
tn「粒が良く立ち、尚且つ甘みがある!中に入った鮭の塩味が程よく米と合い、温かさも相まって正に運命的な組み合わせ!美味いっ!!」
『(いや食レポ上手っ)』
俺はあっという間に二つ平らげた。
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まる(プロフ) - やっぱり“なる”様だったんですね、最初の直感当たってたの嬉しww 魔王も神も、u先やネタに関しても、来斗牙様の作品は伏線が分かりやすい上に、パッと分からなかった伏線もすぐ回収してくださる為ストレス無く楽しめています。更新、楽しみにしております! (10月13日 14時) (レス) @page43 id: dba6e6f19e (このIDを非表示/違反報告)
mii(プロフ) - お久しぶりの更新、とても嬉しいです!アレ…魂の…ランタン…?まさかダンジョn(( (2023年4月1日 11時) (レス) @page43 id: 2d3cfb07c5 (このIDを非表示/違反報告)
sugeeee - 世界観がとてもかっこいいです!…外の神と魔王が全く分かりません……。 (2023年3月10日 14時) (レス) @page38 id: 1906228508 (このIDを非表示/違反報告)
トめAと@カド松(プロフ) - 外の神と魔王が察せる件について (2022年12月1日 21時) (レス) @page41 id: 8b7bdbc23e (このIDを非表示/違反報告)
ナイトジャー(プロフ) - 久しぶりにきたら投稿されててこれまた内容が素晴らしくて色々大変です(語彙力無)peさんとsnさんの掛け合いとか本当にありそうですもんね…。ネタのぶっこみ方が本当に尊敬します。 (2022年11月12日 20時) (レス) id: 8b9e251ed3 (このIDを非表示/違反報告)
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