砂浜を乞う (ページ4)

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ぎゃあぎゃあ騒ぐカリムをどんと突き落とす。それで日頃の溜飲を下げようと目論んでいただけに、ハーネスのように布地を括りつけたカルムの反応は肩透かしもいいところだった。
「楽しいな！ジャミル！」
「下手すりゃ死んでるんだぞ？お前はもっと怖がれ」
　そんなへまをするつもりはないが。ジャミルは内心で独り言ちると自分もカリムと同じように布地の一端を胴へ巻き、一端は細めのロープに括り付け、さらにロープを外に面した手すりへと括り付けた。カリムが飛び降りる際には魔法で膂力を底上げしたジャミルが布地を掴んでいたが、今度はそうもいかない。長すぎれば当然ぐしゃりだし、短すぎれば意味がなく、さらには衝撃で紐が千切れてくれなければジャミルは身分を隠すことができなくなる。
「ジャミル―！俺が受け止めてやるから、怖がらなくてもいいぞ！」
「その方が怖いから絶対にするなよ」
　ひくりと片頬が歪む。カリムは首をかしげて、遠慮するなと言いたげだ。
　懐のナイフでロープに切り込みを入れると、意を決して飛び出す。

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