第２８話：siryiさんのお叱り２ ページ33
ナツメside
「クッソ…腹立つ…」
怒ったら口が悪くなってしまうのは、本当に俺の悪いところだと思う。
気付けば公共の場なんてこと忘れて、そんなことを呟いていた。
舌打ちは出るわ愚痴は出るわ、この時の俺は本気でイラついていた。
…そしてやっと目的地についた時。
俺は他の人達の流れに乗せられ、なんとか電車から脱出した。
それからラインでマネージャーに『今駅ついた』と、いつものような『！』や顔文字を使わず、冷たく短いコメントを送る。
早足で駅を通過し、少々小走りになりながら集合場所まで行った。
その途中も、いつもよりかなり低い声で愚痴っていたし、舌打ちだって何度もした。
やっと集合場所までついた時にはもう、完全に怒りモードだった。
荒々しくドアを開け、自分の席であろう場所に荷物をドサッと大きな音を立てて置く。
皆に謝る余裕なんかなかったけど、小さく低い声で「…遅れて、ごめん」と一言言った。
まぁ多分聞こえてないんだろーけど。
…んま、先に来ていたらしいマネージャーはすっごいビックビクしてるけど。
「…おい、くろ。遅れてきてその態度はねぇだろうが。先に謝れって」
…不機嫌そうにそう言うのは、俺と同じ立場で、タメで話せる年上のそらるだった。
やっぱり聞こえなかったのか。なんてことすら考えられなくて、ついつい「…あ"？」と低く反応してしまった。
別に喧嘩を売ってるわけじゃなくて、反応しようとしたらついつい出てしまったその一音。
やべぇ、と思った時には遅く、そらるは完全お怒りモードになってしまった。
「謝れって言ったんだよ。聞こえなかったか？あー、前々から一番気合入れてきたくせに1時間以上遅れてきた96猫さんには聞こえませんでしたかねぇ。すいませんねぇ？」
…ここで我慢すればいいものを。余裕の無かった俺は立ち上がり、近くの机をひと蹴りした。
ガダンッ！！！
とてつもなく大きな音に、マネージャーやまふ、さかたんやうらたん、天月など、その他諸々が肩をびくりと揺らす。
何度も言うが、もちろんそんなことを気にする余裕なんて、俺にはない。
「…今てめぇ、なんつった？」
「あ？また聞こえなかったのかよ。そろそろ耳鼻科行ったほうがいいんじゃねぇの」
「…俺が聞いてんのはそういうことじゃねぇんだよ。今てめぇが…なんつったかってことを聞いてんだよ」
第２９話：siryiさんのお叱り３→←第２７話：siryiさんのお叱り
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 39人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ももはす(プロフ) - 子たぬき&坂田家さん» 返信遅くなってしまってすいません！コメントありがとうございます(*´▽｀*)ですよね…私もついついニヤニヤしちゃうんですよ笑 同じですね（笑） (2017年9月24日 20時) (
レス) id: cd24fb7f62 (このIDを非表示/違反報告)
子たぬき&坂田家(プロフ) - 96ちゃんがかっこよくなった〜ニヤニヤがとまらない (2017年9月24日 15時) (レス) id: 1fc64429a0 (このIDを非表示/違反報告)
ももはす(プロフ) - iceさん» コメントありがとうございます！こんな彼氏いたら毎日ニヤニヤしまくりですよ…(笑)これからも更新頑張るので、よろしくお願いしますね！ (2017年9月6日 21時) (レス) id: cd24fb7f62 (このIDを非表示/違反報告)
ice(プロフ) - 96猫さんの夢小説…！とても面白いです！ちょっとニヤニヤしてしまいました…(;´∀`)これからも更新楽しみにしています！頑張ってください！ (2017年9月6日 21時) (レス) id: f6a4d10306 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ももはす | 作成日時：2017年8月11日 10時
