第２話：ネックレス２ ページ3
「ナツメ。決まった？」
あれから私は、特に買いたいものが無く、店の中をぐるぐると回った。
数十分経ったところで、流石にもうここにいるのは飽きてきた。
そのため、まだ唸り声をあげて悩んでいるナツメに話しかけた。
「…よしっ。買おう」
私がナツメに話しかけると、ナツメはあのネックレスを買うことを決心したらしく、あのネックレスを握りしめていた。
買おうか？と口から言葉が出そうになったが、断られるのがオチだろうから、私はそれを寸前で飲み込む。
「…先に店、出てるから」
小さな声でそういった後、私は店の外に出た。
それにしても、ナツメが持ってたあのネックレス、凄くナツメに似合いそうだったな。
私も何かおそろとかにしたかったなぁ。
「はぁ…」
「ごめん、A！遅くなった！」
むんむんと考えていると、ナツメが店から出てきた。
「大丈夫だから」と言い、私はナツメの手を引き「他の所行こ」と言う。
「あ、ち、ちょぃ待ち！」
けれどナツメは、ナツメの手首を掴んだ私の手を、片方の手で握った。
そのせいで止まる私の体。
「…何？」
「いや…ちょっと渡したいものがあって！」
そう言ったナツメは、ポケットから小さな袋を取り出した。
掴んだ私の手の平にそれをゆっくり乗せ、「あけてみ？」と笑いかけてくる。
「…え、ナツメ…これ、さっきの…」
袋を開ければ、そこには、黒色の猫がついた先ほどのネックレスがあった。
まさか、あれは私にプレゼントするため…？
「いっつも俺、お世話になってるやん？少しお礼したいなって！」
「っ…別に、いいのに」
ネックレスを握りしめながら、私は強がってそう言った。
けれど、本当は物凄く嬉しくて今にも叫びそうだ。
その衝動を抑えながら、私はそのネックレスをナツメに渡す。
「…つけてもらっていい？」
「りょーかいっ！」
ナツメは嬉しそうな顔をした後、とことこと私の後ろに回り、ネックレスを付けてくれた。
…これは、大事にしなきゃな。
心の中で密かにそう誓ったのだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Aって常々鈍感だと思う。
知らないんかな？
男性から女性に送るプレゼントには、全て意味が隠されているってこと。
薔薇なら『愛してる』、腕時計なら『貴方と同じ時を刻みたい』。
んじゃあ、ネックレスは？
『貴方を束縛したい、独占したい』
…うん。今の俺の気持ちにピッタリな贈り物やね！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 39人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ももはす(プロフ) - 子たぬき&坂田家さん» 返信遅くなってしまってすいません！コメントありがとうございます(*´▽｀*)ですよね…私もついついニヤニヤしちゃうんですよ笑 同じですね（笑） (2017年9月24日 20時) (
レス) id: cd24fb7f62 (このIDを非表示/違反報告)
子たぬき&坂田家(プロフ) - 96ちゃんがかっこよくなった〜ニヤニヤがとまらない (2017年9月24日 15時) (レス) id: 1fc64429a0 (このIDを非表示/違反報告)
ももはす(プロフ) - iceさん» コメントありがとうございます！こんな彼氏いたら毎日ニヤニヤしまくりですよ…(笑)これからも更新頑張るので、よろしくお願いしますね！ (2017年9月6日 21時) (レス) id: cd24fb7f62 (このIDを非表示/違反報告)
ice(プロフ) - 96猫さんの夢小説…！とても面白いです！ちょっとニヤニヤしてしまいました…(;´∀`)これからも更新楽しみにしています！頑張ってください！ (2017年9月6日 21時) (レス) id: f6a4d10306 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ももはす | 作成日時：2017年8月11日 10時
