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令和時代 ページ1

某月某日

「あぁ〜、やっとバイト終わった。自由だ〜」
「アホですね」

吾輩は一般人A。
高校を卒業して一人暮らしを始めるために放課後をバイトに捧げるしがない女子高校生である。
特段運動神経がいいというわけでも、非行に走るというわけでもない本当にしがない女子高校生である。
少し漫画やアニメが好きだがオタクとまでは多分いかない全くもってしがない女子高校生である。
他と違っているところと言えば、少し腐りかけていることと来世は絶対に男に生まれたいということだけである。
因みに今しがた吾輩をアホ呼ばわりしたこの金髪はバイトの後輩。そこそこ・・・いやかなりのイケメンである。彼女がシフト終わりに迎えに来ることがあるがよく顔が変わっている。どれも美形揃いである。モブ顔の吾輩は美形の女の子とは御近付きになれないので羨ましい限りである。
後輩が死ぬと店長が困るので、死なない程度に爆発してほしい。
吾輩は何もイケメンが嫌いなわけではない。むしろ美形は男でも女でも大好きだ。
性格も良ければなおいい。
吾輩のバイト先の店長なんかはとても素晴らしい。儚い系美人でとても優しい。パーフェクトだ。
しかし後輩はダメだ。こいつはいつも店長が見ていないときに限って吾輩にいたずらを仕掛けてくるのだ。しかし普段コイツはとてつもなく大きな猫をかぶっているため誰も吾輩の訴えを信じないのである。まさしく性悪大魔王である。いつかコイツをギャフンと言わせてやりたいものである。
「突っ立ってないでさっさと帰る用意したらどうですか、先輩」
「うっさい。分かってる、この猫かぶり野郎」
「人がせっかく親切教えてあげてやってるのに」
「日頃の行い」
後輩に言われ帰りの準備を始めて吾輩は帰路につこうとした。すると後輩が珍しく一緒に帰ろうと言うので了承し今度こそ吾輩は帰路についた。
そしていつものように、近所で評判のパン屋の横を通り、美容室の角を曲がって大通りに出た。
事件はそこで起こった。包丁をもった男が後輩に向かって突進してきたのだ。何かを叫びながら。
「死ね!この盗人野郎!!」

ニブイオトガシタ

犯人が慌てて逃げて行く。
_____歩道に倒れこむ。
後輩が泣きそうな顔で吾輩の顔を覗き込んでいる。
_____腹が熱い。
この性格の悪い後輩がこんな顔ができるとは驚きである。
_____体が冷たい。

「先輩!!先輩!!」

視界がぼやけてきた。
後輩が吾輩を呼んでいる。後輩の顔が見えない。

「ご、、めん、」

新しい日常→



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作者名:くろじし | 作成日時:2019年11月23日 19時

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