妖アパ×カラフル～天使と人と妖怪アパート～③ (ページ17)

今日:9 hit、昨日:0 hit、合計:6,938 hit

100話あの日の会話～プラプラside～ページ17

プラプラ「で、お前は分かったのか？」

夕士「……これが天使の絵だってのは分かったんっスけど……どんな会話をしたかまでは」

プラプラ「……だろうな」ﾊｧｰ

ホンの些細な出来事を覚えている方が稀だろう

天使雪にとって重要でも、稲葉夕士にとってはそうじゃない

アイツの事だ……どうせ……

プラプラ「お前、この絵を誉めたんじゃないか？」

夕士「えっ？」

プラプラ「未完成だったこの絵を誉めて、見てみたいって言ったか？」

夕士「……」ｳｰﾝ

稲葉夕士は思案顔を浮かべた後『あっ』と声をあげた

夕士「確かに……俺、『上手だな、完成したらもっと凄いんだろうな』って言った気が……」

プラプラ「……それだよ、きっと」

本当に些細な出来事

社交辞令かも知れないその言葉を、天使雪は大切にしていた

プラプラ「この絵、天使雪は死ぬ時はまだ未完成だった。後を引き継いで完成させたのがアイツだ……だからこそ、天使雪は『ごめん』って思ったんだろ」

夕士「そんな……俺……」