妖アパ×カラフル～天使と人と妖怪アパート～③ (ページ15)

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98話記憶探し～夕士side～ページ15

美術部長「あれ？稲葉君どうしたの？」

夕士「あ、いや……絵を見せて欲しいと思いまして」

美術部長「絵？良いわよ。稲葉君にはあの時お世話になったし」

休日でも部活動をしていた様で、俺が学校に着いた時、美術部の部長さんが最後の鍵締めを行う直前だった

夕士「ありがとうございます」ﾍﾟｺﾘ

美術部長「私はこの後に用事があるから先に帰るね？鍵、よろしく」

夕士「はい」

最後に俺と天使が会話したのが美術部室なのだとしたら……そこに何かヒントがあるかも知れない

俺はそう思い、美術部室の扉を開けた

油絵具独特の匂いが鼻につく教室は、日も沈み薄暗くなっている

アチコチに描きかけのキャンバスが立てられ、製作途中で放置されるそれらは少し物悲し気に見えてしまう

夕士(天使の絵は確か……)ｷｮﾛｷｮﾛ

朧気な記憶を頼りに、一枚一枚見ていく

様々な色彩で埋もれる四角形の中、目を引く一輪の花の絵

夕士「……これだ」