妖アパ×カラフル～天使と人と妖怪アパート～③ (ページ13)

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96話壊れた心を繋ぐもの※ ページ13

目が覚めたとて、同じ景色しか映らない

変わらないのは自分の心か、環境か

また今日も男に抱かれる男の自分

望んだモノは酷く単純で、周りは普通に手に入っているのに、自分の元へ届いてはくれやしない

僅かに届いたとて、歪みきったソレは自身が望んだモノとは形が違う

雪「……ｯ……ｩ……」

蛍介「ふっ!!はぁ……」ｷﾞｼｷﾞｼ

五月蝿い位に軋むスプリングの音や、痛みを感じる腰が唯一の現実

ただの人形に成り下がったら後は楽になる

身体に染み付いた傷痕も、キスマークも歪み、見えなくなれば良いのに

変化する虹彩に、何も映し出さなくなれば……少しは楽になれるのに

蛍介「愛してるよ、雪」

雪「……アイ？」

蛍介「あぁ、愛してる」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

『アイ』なんてモノは存在したのか？

先生も同じ事を言っていた、だけど最後は俺を殺した

雪「……に？」

蛍介「どうした？」

雪「……アイって……なに？」

形の無いモノを説明出来る訳、無いだろう

そんな簡単に答えが出てくれるなら、もっとマシな人生が送れていた筈だろうし

壊れた心には『アイされたい』と言う願いが顔を出す

正体を知れば……救われるのだろうか？