短編小説・ネタなどの集個人用 (ページ46)

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【実況者】苔石の守り人　干支と繋がってる？ページ46

私の家の家系は、苔の生えた石を守る人
なんの変哲もないこの石は１００年ほど
守り人によって守られてきたそうだ
私の代になり私がこの苔の生えた石を守る人になった

そうなれば、私はここに居続けなければいけない
人が来ない山の上の神社
ここから見る景色はとても綺麗
しかし、人はそのことを知らない

ある日人が来ないのに来た
そいつは私を見るなり驚いた顔をした

｢君は…？｣

『私はこの苔石の守り人だ
ここに人は滅多に来ないが
なぜここに来た』

｢ここは景色が良さそうだからね
僕はセピアよろしく｣

『自己紹介はいらない
名前も知りたくはないのでな
さっさと帰れ人よ』

｢君は人ではないんだね…｣

『…ああ私は人ではない
人がいうあやかしというものだ
何にもないこの石を代々守ってきてる
この石に何があるというんだ…』

「たぶん僕のことじゃないかな…？」

『お前は人だ
人からこの石を守ってるといいたいのか？』

「僕は人じゃない
この石に宿る精霊といったところかな」

『ハハハ！人になれるとは驚いた
あやかしをも騙すとは相当な力があるようだな…？』

「ああそうだね…
この姿が落ち着くんだ
きみがずっーと僕を守っていた
ほかの代もね
でも、もういいよ」

『…？何を言っている？
私はここを守れと言われたからにはここを守り続ける』

「僕はもうすぐ消える」

『力があるのにか？
お前には力がある消えることはない』

「全盛期は精霊じゃなくて、神様だったのさ
牛の神様干支神に仕える者としてね
あれから干支神は人であったためもうこの世にいないのさ」

『干支神…それが人だったというのか…』

「１２人いたんだけどね
ほとんどみんな力を失って消えてしまった
もう何人残ってるかな…」

『…』

「君を縛るものはもう何もない
だから、守るのはもうやめてくれ
僕は消えるからさ」

『…それでは、お前が消えるところを見てから
ここを離れよう
これは私の希望だ
見送られたくなければ今すぐに消えるが』

「ううんありがとう
見ててくれるなら僕は満足だよ……」

彼は消えていく
体が透けて遠い彼方へと消えていった
私には何もできなかった
あやかしである私は一度ついてしまえば
離れられないというのに…
どこかに行くなどもうできなかった

彼が居続けたここをいつまで私が見守ろう

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