44.体育館マジック ページ44
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「ふわぁああ」
盛大なあくびをふかしながら球技大会が行われている校庭を見やる。
日陰で涼んでいると、自分のクラスに招集がかかった。
数理科は女子の人数が少なくて２クラス合同チームのバレーボール一種目だけ。
コートが四面しかない体育館に男バレファンが詰めかけ、怖い程の人口密度が熱気の原因となっている。
その暑さはコートが蜃気楼で曲がって見える程だ。
「汗止まんなーい」
「それ、本当に空調きいてんの？」
先ほどから口から出る言葉は熱さへの文句しかない。
しかもこれから試合だと思うと憂鬱。
別に運動が嫌いではないのだが、部活は基本静かで屋外だし、室内のこもっている所よりも、夏の日
差しを浴びながら走る方が気持ちいと思えるのだ。
何なら外競技がいいが、サッカーとドッジボールなので人数が足りなかった。
すると自分たちの背後で悲鳴が聞こえる。
きっと男バレの誰かが格好いい事でもしたのだろう。
その悲鳴で私たちの初戦が始まった。
――――――――
結果で言うと勝った。
まさか２回戦に進めると思わなかったから、少し心が浮足立つ。
勝つと気持ちがいいのだと背に伝う汗が寒さを連れてきながら教えてくれる。
その冷気が指先をすっと冷たくさせた。
「お昼食べたら２回戦だな！」
同じクラスの男子に背中を叩かれた。
正直痛いし、よろめいたが嬉しい。
「らじゃ！」
昼後は満腹で動くとゲロるから、食事をセーブして戦に挑む。
それにしても購買部で売っている唐揚げサンドは美味しかった。
先刻食べたお昼を思い返しウフウフしているとクラスの子が走ってくる。
「もう始まるってー！」
クラスの子から呼ばれて重い体を床から引っぺがす。
先ほどの１回戦が疲れたのか、おしりに根が生えてしまった。
でも心は準備万端、体も十分すぎるほど温まっているし、これなら調子がよさそう。
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そう思ってコートに立った瞬間、何かが消えた。
茹だる様に鬱陶しかった熱気と湿気を感じなくなり、音が消える。
足元も床が消えたかの様に急に支えを失い、サラサラと足の裏から血が引いていく不気味な感覚に陥った。
なのに冷静、いや、冷静ではなく考えられないのかもしれない。
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視界が端からだんだんと黒くなっていくのを他人事のように感じた。
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結城(プロフ) - 甘露寺さん» 甘露寺様：初めまして！ここまで読んで下さってありがとうございました。またこんな古い夢小説を見つけてくれてありがとうございました。また少しずつですが再開し始めましたので、お付き合い頂けたら幸いです(*^▽^*) (2020年5月23日 0時) (
レス) id: ef38ccb588 (このIDを非表示/違反報告)
甘露寺 - 気になるところで止まっておるー更新して下さーい(土下座) (2020年5月5日 2時) (レス) id: 952a700b40 (このIDを非表示/違反報告)
結城(プロフ) - 美月さん» 美月様:初めまして！お気に入り登録ありがとうございます。面白いと言っていただけて本当に嬉しいです(*´▽｀*)更新がのろまですが、これからも頑張っていきますのでよろしくお願いいたします<m(__)m> (2018年8月22日 0時) (レス) id: 9a4bc7de57 (このIDを非表示/違反報告)
美月(プロフ) - とても面白かったです!! お気に入りさせて頂きました！応援してます！ (2018年8月20日 23時) (レス) id: 0d411ab85a (このIDを非表示/違反報告)
結城(プロフ) - 明佳さん» 初めまして。この度はご指摘ありがとうございました。設定頁更新しましたので確認をお願い致します。 (2018年6月14日 18時) (レス) id: 9a4bc7de57 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：結城 | 作成日時：2018年3月27日 22時
