4.分別っすか? ページ5
.
そして部長会。
結構早く着いた私は、自由席の目立たない窓側を選んで座った。
ぞろぞろ入ってくる人たちを見て、この人部長になったんだー。とか思いながら、ぼーっと過ごしている。
「あれ?木之瀬じゃん。お前も部長?」
「おおー、高松君。君も部長だったんだ。何部?」
「まさかのそこから!?将棋だよ!」
なんて言いながら、高松君は一つ前の席に腰を下ろす。
「数理科って、あんまり他クラスと交流無いから肩身狭いよなー。俺ここにいる人間まったくわからねぇもん」
「そうそう。高松君来てくれてよかったー。普通科に部員以外の知り合いいなくてさ」
「俺もー」
ぐるりと見渡しても顔と名前が一致しない人たちばかりだ。
数理科に帰宅部が多い事と、あまり目立ちたがる人がいないから仕方のない事だろう。
きっと高松君も少人数の部活だから、仕方なく役職に就かざるえなかったと思われる。
そんな私たちに慈悲の無い言葉が降りかかる。
.
「文化部と運動部で配る書類が違うから、文化部廊下がわに座れー」
.
「えぇ!?」
(私の数少ない知り合いを引き裂こうと!?ていうか、配布物取りに来させればいいじゃん!!)
先生に念を送るため睨みつけるが、受信ポートは黒板を向いてしまった。ちっ。
「なんてことだ…俺は旅立つ。ぼっちの場所へ…」
「いゃあ!お待ちになって高松君。そんなぁぁああ!寂しいよぉぉおおおっ」
高松君がぼっちの場所に旅立つという事は、私もぼっちになるではないか。
机に突っ伏して前に手を伸ばす。
やだよー。一人寂しいよー。
高松君も名残惜しそうにこちらを見ていたが、彼は遥かかなたに行ってしまった。アデュー。
これではわからなかったときにすぐに人に聞けないじゃないか。
なんて思っていると、急に視界が暗くなった気がした。
.
「そんな君に及川さんが来てあげたよー」
.
慌てて顔を上げると、なんとも久しぶりに見た幼馴染の顔が。
「久しぶり」
そう言って爽やかに笑っている顔は昔とは変わらない。
そりゃ、顔の丸みが取れたとか、鼻筋が通ったとか顔に変化はみられるけど昔のままの彼に凍り付く。
(何でいるの!?何で前に座るの!?)
きっと私は酸素の足りない水槽の金魚の様に口をパクパクさせていることだろう。
そんな私に彼はおかしそうに笑った。
485人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
結城(プロフ) - 甘露寺さん» 甘露寺様:初めまして!ここまで読んで下さってありがとうございました。またこんな古い夢小説を見つけてくれてありがとうございました。また少しずつですが再開し始めましたので、お付き合い頂けたら幸いです(*^▽^*) (2020年5月23日 0時) (レス) id: ef38ccb588 (このIDを非表示/違反報告)
甘露寺 - 気になるところで止まっておるー更新して下さーい(土下座) (2020年5月5日 2時) (レス) id: 952a700b40 (このIDを非表示/違反報告)
結城(プロフ) - 美月さん» 美月様:初めまして!お気に入り登録ありがとうございます。面白いと言っていただけて本当に嬉しいです(*´▽`*)更新がのろまですが、これからも頑張っていきますのでよろしくお願いいたします<m(__)m> (2018年8月22日 0時) (レス) id: 9a4bc7de57 (このIDを非表示/違反報告)
美月(プロフ) - とても面白かったです!! お気に入りさせて頂きました!応援してます! (2018年8月20日 23時) (レス) id: 0d411ab85a (このIDを非表示/違反報告)
結城(プロフ) - 明佳さん» 初めまして。この度はご指摘ありがとうございました。設定頁更新しましたので確認をお願い致します。 (2018年6月14日 18時) (レス) id: 9a4bc7de57 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:結城 | 作成日時:2018年3月27日 22時