39.我慢の限界の末 ページ39
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もう無理限界突破。
そう思って次の人が来る前に帰ろうとすると、
「待ってAちゃん!」
「いや、絶対あん中に英語出来る人いるよね?帰っていいよね。お家帰りたい」
「ごめんって!いや、もう帰るんだけど…」
さすがの及川君もここまでの妨げは予想していなかったのだろうか。
結構焦っている。
「帰るの?え?じゃあ帰ろ」
私はもう帰り支度を済ませているし、いつでも来いよなんだけど…。
「あのさ…」
準備万端で及川君を待っていると、及川君は机の上の荷物をカバンに詰めながら何気なく口を開いた。
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"ウチに来ない?"
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……
「おじゃましまーす」
それはもう何年振りなんだろう。
小学生の時には行き来していたお家。
改装もしていない様子で、懐かしい匂いが鼻をくすぐった。
「ごめん、かーちゃんまだ帰ってきてないみたい」
「あ、大丈夫だよ。及川君のお部屋行ってていい?」
「うん。お茶持ってく」
我が物顔で及川君のお家を歩く。
いや、だって何回も来たもん。
中に入るとそりゃ何も変わらず…とまではいかないけど、それでもあの時の面影を残している内装に
少し緊張していた心が溶ける。
こういう時何すればいいんだっけ?エ〇本探せばいいんだっけ?
こう見えて私は宝探しが得なので何かしら見つけられそうな気がした。
ベッドは無いから、とりあえず机の下―――。
「…何してんの…」
「おうふ」
あからさまにため息を吐かれ、ちっとも焦らないその姿がむかつく。
だが今回はお邪魔している身なので静かに引き下がことにした。
「…なんか、制服姿のAちゃんが部屋に居るの変な感じ」
及川君はそう言いながら私に麦茶を出した。
確かに、私が遊びに来ていたのは小学校のころ。
普通のお洋服だったから確かに新鮮かもしれない。
「あ、でも中学入学前に1回制服見せに来たよね」
「あー懐かしい。そんなこともしたね」
及川君は英語のプリントを見始めた。
目の前で及川君が勉強している。
こんな近くで…。
きっと、私が逃げたりしなかったら、中学もこんな感じだったのかな。
そんな事を想像しながら、私はシャーペンを滑らせた。
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結城(プロフ) - 甘露寺さん» 甘露寺様:初めまして!ここまで読んで下さってありがとうございました。またこんな古い夢小説を見つけてくれてありがとうございました。また少しずつですが再開し始めましたので、お付き合い頂けたら幸いです(*^▽^*) (2020年5月23日 0時) (レス) id: ef38ccb588 (このIDを非表示/違反報告)
甘露寺 - 気になるところで止まっておるー更新して下さーい(土下座) (2020年5月5日 2時) (レス) id: 952a700b40 (このIDを非表示/違反報告)
結城(プロフ) - 美月さん» 美月様:初めまして!お気に入り登録ありがとうございます。面白いと言っていただけて本当に嬉しいです(*´▽`*)更新がのろまですが、これからも頑張っていきますのでよろしくお願いいたします<m(__)m> (2018年8月22日 0時) (レス) id: 9a4bc7de57 (このIDを非表示/違反報告)
美月(プロフ) - とても面白かったです!! お気に入りさせて頂きました!応援してます! (2018年8月20日 23時) (レス) id: 0d411ab85a (このIDを非表示/違反報告)
結城(プロフ) - 明佳さん» 初めまして。この度はご指摘ありがとうございました。設定頁更新しましたので確認をお願い致します。 (2018年6月14日 18時) (レス) id: 9a4bc7de57 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:結城 | 作成日時:2018年3月27日 22時