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63.おはよう ページ16

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期末試験も終わって学生が待ちに待っていた夏休み。




本日は真っ青な快晴。



日差しは強く、それはもう肌を刺すという表現がもってこいだった。




そんな夏らしい日に、私の心は猛吹雪である。




来てしまったのだ、この日が。




肩に掛けられたビニル素材のバックが、腕を滑る汗に擦れる度、存在感が増して現実を突きつけられる。





テスト期間中に来た一君からのこの日空いてるの文字列に、忘れててくれと七夕に願った私の望みは綺麗に星空へ散った。





万が一を予想してダイエットをしていた私を褒めて欲しい。





気になる太ももを重点的に絞ったつもりなのだが、それでもフレアスカートの下の自分の足にはまだ不安が残る。





水着なんて着るのも買うのも初めてで、センス抜群の香奈監修の元、私が手に入れたのはワンピースタイプの水着。






それだってその時は納得して買ったはずなのに、待ち合わせ場所へ歩いているこの道で急に不安になるのだ。






きっと何をどれだけやっても不安は変わらないのだろうけど、あれやっとけばよかった、これやっとけばよかったと次々に後悔が浮かんでは夏空に消えた。





そんな事をしているうちに、待ち合わせ場所の駅前へ。





人が多くなったことで気付き、スマホをつけて時刻を確認すると約束の時間の10分前。





それだけは良かったと安心して、オブジェへ向かって歩くと、そこに見知った人影を見つけた。







その瞬間、慌てて駆け出す。








(え、嘘。10分前だよね!?スマホ壊れた!?)





「一くん!!!」


最悪の予感が胸をよぎって、走っている最中、結構遠くから声をかけてしまった。


スマホをいじっていた彼の目が上がる。




「何でそんな急いでるんだよ」

「いや、だって、一くんもういるし…」

「あ、悪い。俺が焦らせたのか」





バツが悪そうに首裏を掻く彼は少し可愛らしい。


その顔に見入っていると、目線を合わせた彼に笑われた。




「Aは早く来るだろって思ったから」





当たった。

なんて歯を見せる彼は夏にぴったりで。





それだけでキュンと胸が締め付けられる。





「そ、そりゃ早く来るよ…。お世話になる身なのに…。ていうか着いたなら言ってよ!そしたら私も―――」




「ヤダよ。お前走ってくるだろ」





いいんだよ。


なんてまた笑いながら彼は何かを思い出した様に微笑みかけてくる。






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「はよ」

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白米 - 夢主ちゃんの初々しさが可愛すぎて、岩泉くんがイケメンすぎて、キュンキュンが止まらないです! 言葉選びもとっても素敵で好きが溢れ出します! (2023年1月28日 13時) (レス) @page21 id: c47ed55b6d (このIDを非表示/違反報告)
あおい亜緒(プロフ) - 素敵すぎます、更新待ってます^^ (2021年11月29日 7時) (レス) @page5 id: 4763f9e9c3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:結城 | 作成日時:2021年10月3日 23時

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