61.スペアの心臓 ページ14
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「瀧崎まだプールの事根に持ってんのかよー。岩泉にフラれたら俺が教えてやろうか?(笑)」
私たちの会話を聞いていたのか教室の角にいた男子が笑いながら声を掛けて来た。
さっきまで私をからかっていた男子だ。
この軽いノリが大好きだし、いつもなら自分も乗るんだけど、今はそうもいかない。
テンパってグルグル回る脳みそは、ふざけてなんてられなかった。
「もぉうるさい!大丈夫だってば!」
「あ、特訓と言う名の遊びに行こうぜ!俺指定校組だから夏休み暇ー」
「大丈夫だって!ちゃんと教えてやるからさ」
勝手に進んでくクラスメイトの話に、またもや焦りが止まらない。
あああああっもう!
「いいぞ。別に」
頭を掻きむしりたくなる衝動に駆られそうなとき、横から間髪入れずに言葉が飛んでくる。
「え?」
「泳ぎだろ?上手く教えられるかわかんねぇけど、俺でよければ」
そう言って、私の顔を覗き込む一君。
今度は私が目を見張る番だった。
「よかったじゃーん!岩泉!Aの事よろしくね!海に放り出されても浮いてられるくらいにはしてやって」
バシバシと背中を叩いてくる香奈。
え、ちょ、痛!?
痛いけどちょっと待って!?
「岩泉なら安心して任せられるわ〜」
「んだよそれ」
「言葉通りよ」
「え!?でも!部活とか…」
まだ食い下がる私に、一君が訝しそうに顔をしかめる。
「浮くのに1日以上かかんねぇよ。それに俺も泳ぐの好きだし」
そう言って私の大好きな犬歯をの覗かせながら、笑顔で頭をかき混ぜてくる一君。
練習試合の時と違って、今日の髪型はストレートのだからか今回の撫でには一切遠慮が無かった。
ずるい。
ずるい。
ホントにそういう所。
幾つ心臓あっても足りない…!
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ここまで読んで下さってありがとうございました!
♡機能、今更理解しました。
滅茶苦茶嬉しいです!!!!
今後もよろしくお願いします(__)
カッコいい事されると嬉しい→悔しい→好き→ズルいってなりますよね(笑)
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白米 - 夢主ちゃんの初々しさが可愛すぎて、岩泉くんがイケメンすぎて、キュンキュンが止まらないです! 言葉選びもとっても素敵で好きが溢れ出します! (2023年1月28日 13時) (レス) @page21 id: c47ed55b6d (このIDを非表示/違反報告)
あおい亜緒(プロフ) - 素敵すぎます、更新待ってます^^ (2021年11月29日 7時) (レス) @page5 id: 4763f9e9c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:結城 | 作成日時:2021年10月3日 23時