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49.炭素質コンドライト ページ2

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なんとかスクバ一個にまとまった荷物に満足している時、訳のわからない方向から隕石が降ってきた。







しかも超特大級の。







本当に言葉が具現化して飛んできた隕石。







あんまりにも早すぎて、もはや文字なんて読めず、理解が出来なかった。









「え、あ…え?」









油の足りないブリキ人形よろしくの関節の動きで一君を見る。








丁度ネクタイを結び終えたのか、満足そうに撫でたそのままの表情でこちらに視線だけを向けてきた。









疑問形だけれども絶対的確信得ている目に心臓からヒュっと息が漏れる。







どうして、何で知っているの?






そう顔に出てしまっていたのだろう。









一君が椅子から腰を上げて、机の上に置いたままだった私のスマホに手をかざした。









最近のスマホは触らなくても目の前の動きや陰で画面が自動的に点くようになっている機種もある。








それが私のスマホで、一君の手の陰に反応したそれは、正常にロック画面を表示した。









『Lin○:はじめくん 着信 14分前』









ロック画面に表示されたその通知に、どうやって誤魔化そうか考えていた私の頭は絶望一色に染まる。








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あぁ終わった。







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絶対引かれた。






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彼女でもない女が「はじめくん」なんて登録してるなんて。







第一、岩泉君の事を下の名前で呼んでいる人なんていないじゃないか。







おばちゃんぐらいじゃん。







誰にも許してないのに、クラスメイトでもチームメイトでも無いただの同級生に陰でそう呼ばれてたなんて…。







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キモすぎる…。







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血の気がさぁっと引いて行き、体が冷えていくのが分かった。







自分で蒔いた種なのに、こんなに悲しくなるのが情けない。








それでも誤魔化せそうな言葉が思い浮かばなくて、焦りは諦めに変わる。








謝ろう。







ごめんって、きっと一君は訝しがるだろうけど、怒りはしない。







好感度は絶対下がったけど…!








絶好なんてされるより、傷の浅いうちに謝りたい。








「そ、そうなの、ごめ――――「ふーん」








謝る言葉に重ねられた言葉。






慌てて謝罪を言い直そうと姿勢を正すと、衝撃的な言葉が降ってきた。








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「じゃ、俺もそうするわ」







――――――――――――――――

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白米 - 夢主ちゃんの初々しさが可愛すぎて、岩泉くんがイケメンすぎて、キュンキュンが止まらないです! 言葉選びもとっても素敵で好きが溢れ出します! (2023年1月28日 13時) (レス) @page21 id: c47ed55b6d (このIDを非表示/違反報告)
あおい亜緒(プロフ) - 素敵すぎます、更新待ってます^^ (2021年11月29日 7時) (レス) @page5 id: 4763f9e9c3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:結城 | 作成日時:2021年10月3日 23時

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