【utit】白百合の呪文【twst】 (ページ5)

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5輪ページ5

You side

ガタ、ガタンッ。
何かを開けようとする音が聞こえる。

私は煩わしいそれで意識を浮上させる。もう朝なの？なんて思いつつ、重い瞼を開けた。

「やべえ。そろそろ人が来ちまうゾ。早いところ制服を … 」

目を開けてもそこはまだ暗く、声の人物が誰なのか分からない。とにかく知らない声であるということは確かであった。
それになんだか暗くて狭いところに閉じ込められているらしく、目の前にある壁を押してもビクともしない。
どうしたものか、なんて考えていると壁の外の人物は思わぬことをした。

「こうなったら … … … 奥の手だ！
　ふなﾞ〜〜〜〜、それっ！」

瞬間、閉じ込められていたところが燃え、扉が開く。
ぎゃああああ！？！？！なんて女の子らしくない叫び声を上げてしまう。いやこんな大変な時に女の子らしい叫び声なんて上げていられるか！！

「さてさてお目当ての … … って、ギャァァアアア！！！！オマエ、なんでもう起きてるんだ！？」

いやなんでお前が驚いてんだよ！！！！お前が起こしたようなもんだろ！！！！なんて気持ちと喋るたぬきがいることとたくさんの棺桶が並んでる部屋のせいで何がなんだか分からず、思わずぽかんとしつつ、しゃべるたぬき … ？？と言ってしまう。

それに怒ったたぬき＿＿もといグリムはたぬきの部分を否定した後に私の今つけている服を寄越せと言ってくる。寄越さなかったら丸焼きだと。

普段だったら冷静だったし丸焼きにされるよりかはマシだと思って服を渡していただろう。中には学校の制服も着けていたし。
だけど突然こんな見知らぬ場所に連れてこられた挙句に服を寄越せと言われる始末。混乱した私は誰か助けて！！と叫びながら逃げた。それはもう脱兎のごとく。

私を追うグリムの炎を避けながら逃げ回り、色んな場所へ行った。中庭らしきところや本が浮かんでいる場所など、本当に色んなところに。いや本が浮かんでるってなに？そもそもここどこ？なんて思いながらもう走れないと立ち止まってしまった。するとすぐ近くに炎が飛んできてﾋｪｯｯｯと奇声を上げてしまう。

「オレ様の鼻から逃げられると思ったか！ニンゲンめ！｣

“ さあ、丸焼きにされたくなかったらその服を ” と言いかけたところでヒュンッと何かがグリムの身体を叩いた。グリムが痛がる素振りを見せ、なんだこの紐、と言葉を漏らす。すると大人の人がやってきてくれたのだった＿＿。