北米神話大戦 破(2) ページ20
すっかり日も落ち、夜の帳が完全に降りた。
空には輝く星々。
「マスター!もうすぐだ!気張れ!」
「ラーマ元気になったねぇ」
マスターは、疲れたよ。と、馬に揺られて痛くなってる太ももを摩る。
「ふ。もっとだ。まだ、余の全開ではないが、更にその先へと行ける気がする」
すると、ラーマは微笑んだ。
「なら、私も頑張らなくちゃな」
「あぁ。マスター、余はな、マスターが好きだ。マシュもナイチンゲールも。どう見たって小僧っ子にしか見えぬ余の命令を聞いてくれる兵も好きだ。そして、余にその命を預けてくれたシータが心の底から好きだ。好きだから、守りたい。好きだから、恐怖に屈せぬ。単純だろう?」
「好きだからか…成程ね」
「突き詰めれば、英雄とはそんな小さな感情から出発するものだ。まぁ、余も小僧に立ち戻って改めて分かった事だがな」
「ラーマ…」
「さぁ、行くぞ!マスター」
と、自分の馬を走らせる。
好きだから、守る。
好きだからかぁ……。
私の守りたいものは何だっけな?
別に、兄を除いて家族が好きな訳では無い。
かと言って、世界が好きな訳では無い。
「私の好きなもの…守りたいもの…」
「マスター?どうかしましたか?」
と、プーちゃんとロビンと一緒に近くの偵察に出ていた天草が声を掛けてきた。
「うーん…天草君や」
「はい」
「好きなものは何ですかね?」
「……マスター?疲れてるんですか?」
「あー、いや実は…」
と、先程ラーマと話した内容を説明する。
「好きだから、守るですか…しごく、単純でそれでいて素晴らしい想いですね」
「で、好きなものは何じゃろなーって考えてた訳よ」
「私は…………全てが慈しまれる世界が好きですね」
「成程ねぇ………守りたい?」
「えぇ。勿論」
「そうかぁ……………」
「ところで、マスターの好きなものは?」
と、少年の風貌からは似つかわしい笑顔で天草問う。
「うーん…………よく、分からないんだよね」
「と、言うと?」
「人理を修復してるけど、それほど世界が好きな訳では無いし、家族も兄を除いてそれほどだし…困ったなぁ…」
「ふむ。マスター。私の事は好きですか?」
と、今度は同じ歳の少年らしい笑顔で天草が問う。
「へ?まぁ、好きだよ。君の年相応の笑顔結構好きだし」
「では、俺の笑顔でも守っててください」
と、いつもの笑顔に戻る。
「え?ちょ!それどいう意味!?」
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星空部長(プロフ) - ナカユ@キーリアさん» ありがとうございます!楽しみにしてます♪ (2018年5月13日 22時) (レス) id: 78599fa8a8 (このIDを非表示/違反報告)
ナカユ@キーリア(プロフ) - 星空部長さん» コメントありがとうございます!オルタニキの所で殲滅ルートは考えていませんでしたwもしかしたら、解説コーナーでも作って大体こんな感じということを開設したいと思っていますので、その時にお答えします (2018年5月13日 22時) (レス) id: bce607513b (このIDを非表示/違反報告)
星空部長(プロフ) - オルタニキの所で夢主以外殲滅されたらどうなってたのでしょうね…更新ファイトです! (2018年4月15日 20時) (レス) id: 78599fa8a8 (このIDを非表示/違反報告)
ロール(プロフ) - ナカユ@キーリアさん» ありがとうございます!申し込みしました!承認お願いします (2018年1月26日 23時) (レス) id: ee26429b75 (このIDを非表示/違反報告)
ナカユ@キーリア(プロフ) - ロールさん» お待たせしました!フレンド枠が空いたので、フレンドになりましょう!よろしくお願いします!m(_ _)m (2018年1月26日 19時) (レス) id: d675145964 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:キーリア | 作成日時:2017年7月29日 15時