死界魔霧都市 ロンドン 魔術王 ページ47
階段を駆け降りる。
早く！早く…！どうか、間に合って…！
｢ついた！！｣
｢……あれ、は…？｣
禍々しい、空間の捻じれ。聞こえてきたのは、男性の声。
｢魔元帥ジル·ド·レェ。帝国真祖ロムルス。英雄間者イアソン。そして、神域碩学ニコラ·テスラ｣
何かが来る。背中中に悪寒が走る。
｢多少は使えるかと思ったがｰｰｰｰｰｰ小間使いすら出来ぬとはな……興醒めだ。下らない、実に下らない。人間は時代を重ねる事に劣化する｣
『Aちゃん！！聞こえる！！あぁ、クソ！映像が…！』
人影がこちらに向かって歩いて来る。
｢下がってな、レディ。アレは、真っ当な娘が見るもんじゃねぇ…｣
｢金時、さん…アレは、アレは…｣
｢おい、何だこのふざけた魔力は。竜種なんて、可愛いもんだぞ…これはまるで…｣
｢伝え聞く悪魔、天使の領域…いや、それですら足りない…このシェイクスピア。作家ですがキャスターの端くれですので、理解しました。コレは、まさに、神の創造物！というか、神そのものの気がしますな！！我が友アンデルセン殿！早々に退散しますかな？｣
｢馬鹿言え。神と言っても、種類があるだろう。俺が怖いのは編集という名の神だがな…まさか本命がやってくるとはな…｣
『本命！！？？それどういう事だい？A応答してくれ！』
｢ほう、私と同じく声だけは届くのか。時間軸から外れた故、誰にも見つけられない拠点となったカルデア。我が眼を持ってしても、観る事は難しい…だからこそ、生きている。無様にも、無残にも、無益にも。燃え尽きた、人類史に残った染み…それがお前…A…愚者の名前か…｣
｢お前が…レフの言っていた…｣
｢何だ、既に知りえていると思っていたのだがな。
貴様の脳みそは猿以下らしい。だが、良かろう。その、無様さ気に入った。応えてやろう。我が名はソロモン。有象無象の英霊共のその頂点に立つ七つの冠位の1角と知れ｣
そうだ。知っていたじゃないか。敵は、72の悪魔。
それを従えるのは、従えたのは、ソロモン唯1人。
『ソロモン…だって…！？』
｢貴様らは見ただろう？天に輝くあの光帯を。アレこそ我が宝具それによって人理を焼き払う。その、理由、事実が私にはある。貴様らの時代は既に焼き尽くされた｣
さて、とソロモンは続けた。
｢貴様らの質問には応えた。今度は私の質問に応えてもらおう。カルデアの生き残りよ｣
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作者名：キーリア | 作成日時：2016年10月2日 21時
