死界魔霧都市 ロンドン ワイルドハント ページ46
魔力で出来た階段を、半分ほど降りた時、
『ｰｰおいおいおい！ストップ！！ストップ！！』
｢立香先輩！？｣
と、モニターしている先輩が叫ぶ。
『立香君、何が…？って…ヤバイ！！Aちゃん！マシュ！！敵性反応だ！！しかも、かなり強大だ！！』
ドクターの声に合わせて、凄まじい強風が駆け巡る。
｢マシュ！！盾を構えて！！｣
｢は、はい！！｣
風はやがて、刃の様になり私達を襲った。
｢おいおい…ンなのありかよ…｣
｢モーさん？｣
｢父、上…｣
モーさんが見上げている方向へと視線を逸らす。
｢…冬木の…セイバー？｣
｢アレは…ロンゴミニアド…！？｣
と、アルトリア。
『成程、ifの英霊か…』
｢if…？｣
『もしもの可能性。そう、アレは間違いなくアーサー王の霊基だ。だが、冬木で会ったアーサー王。今、君達の隣に居るアーサー王とは違う存在だ！！』
｢取り敢えず、倒すぞ！A！！｣
｢分かった！！ジーク！アルトリア！モーさん！行くぞ！！｣
宝具が撃てる魔力が3人に行き届くまで、何とか攻撃をやり過ごす。時折、風が刃物の様に鋭く私と後衛に居るマシュ達に襲いかかる。
｢いっ…！｣
｢マスター！！｣
｢大丈夫だ！目の上掠っただけだ！！アルトリア！モーさん！ジークに続いて宝具を！｣
｢分かりました！｣
｢あぁ！！｣
黒い、ランサーのアーサー王は容赦ない攻撃を仕掛けてくる。
｢ｰｰｰｰｰｰ突き立て、喰らえ、十三の牙！ロンゴ、ミニアド！！｣
｢ｰｰｰｰｰｰ束ねるは星の息吹、輝ける命の奔流ｰｰｰｰ受けるが良い！！ｰｰｰｰｰｰエクス、カリバー！！！｣
彼のアーサー王の宝具同士がぶつかり合う。
まだ、全力を出し切れていないのか、アルトリアが微妙に押され始めた。
｢大丈夫だ、アルトリア！君なら、勝てる！！そのまま押し切れ！！｣
｢っ……はい！！はぁああああぁぁぁああ！！｣
禍々しい、甲冑を光の奔流が貫く。
｢……………｣
何か言いたげな、視線をアルトリアに向けそして黒い槍のアーサー王は消えていった。
｢ヤバイ…もしかしたら聖杯が！｣
｢あぁ、その可能性がある。走るぞ！！｣
案の定マシュに抱えてもらい、地下の入り口まで走ってもらう。
間に合って、どうか…！
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作者名：キーリア | 作成日時：2016年10月2日 21時
