死界魔霧都市 ロンドン 雷電の者来たれり ページ44
魔神柱が、人間のマキリに戻っていく。
｢おのれ…まだだ。まだ、終わらせん！！｣
呪文の詠唱が始まる。
｢ヤバイ！！英霊召喚だ！！エミヤ！！｣
エミヤが矢を構え、マキリを射つ。
だが、聖杯の結界により阻まれる。
｢ｰｰｰｰされど汝はその眼を混沌に曇らせ侍るべし。汝、狂乱の檻に囚われし者。我はその鎖を手繰る者――｣
｢おい！雑種！！あれを止めよ！！｣
｢王様！？｣
｢何なら、我を使え！！｣
王様が急に現れ、止めるよう怒鳴る。
｢無理だ！英雄王！！アレは、もう止まらん！！｣
｢我は貴様に言っているのではない！！そこな雑種に言っているのだ！！｣
必死に、何処から攻撃が効くのか考える。
｢王様！！アイツの背後に、攻撃を！！｣
｢遅いぞ！！雑種！！｣
と、言いつつマキリの背後に金のゆらぎが現れ槍やら剣が飛び出す。
見事、マキリに突き刺さる。が、マキリは止まらない。
｢ｰｰｰｰ抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ！」
と、聖杯が強く煌めき、雷が何処からともなく現れる。
｢ふ、フハハハハハ！！｣
高笑いと共に、雷を纏った男性が現れる。
｢成程…星の開拓者か…｣
と、王様が呟く。
｢マスター！！アイツ、外に行ったぞ！！｣
と、クー。
｢分かった！！追いかけよう！！｣
ひたすら、降りてきた階段を駆け上がる。
いい運動だよ、これ。
外に出ると、霧は少し晴れているが雷鳴が轟いていた。
｢何処の悪魔城だよ…｣
｢先輩！！あの方、ロンドン塔に向かっています！！｣
『ヤバイ！！ロンドン塔は霧が密集している中心部だ！！そこに行かれたら不味い！！ブリテン島が滅ぶぞ！！』
と、ドクター。
｢分かりました！！｣
スケールでかい話になってきて、訳が解らんが取り敢えず、ロンドン塔に着くまでにボコればいい。
それは、理解した。
｢お！アンタらが、アイツの言ってた勇者か！｣
｢ちょっと！！金時さん！？何故話を逸らしやがるんですか！！｣
｢もしかして、足止めを…？｣
｢おう。霧は剥がしといたぜ。さっさと行きな。俺ァ休む｣
と、雷を纏った男は言った。
｢…坂田…金時…｣
｢おう…って、同郷か。嬢ちゃん｣
｢いろいろ話したいことや、聞きたい事盛り沢山だけど今度にする！！ありがとう！！感謝と敬意を！！玉藻の前もありがとう！！｣
と、お辞儀をしてから走り出す。
魔力で作られた階段に、足をかける。
ロンドン塔まであと、少しだ。
死界魔霧都市 ロンドン 雷は地に落ちる→←死界魔霧都市 ロンドン 魔神柱出現
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作者名：キーリア | 作成日時：2016年10月2日 21時
