死界魔霧都市 ロンドン 魔神柱出現 ページ43
魔神柱とのご対面はもう、３回目。
ソロモンの魔神があと69もいると思うと流石に吐き気がしてくる。
｢全体攻撃来るぞ！！構えろ！｣
｢はい！！｣
魔神柱に魔力が集まるのを感じる。
ヤバイ。これは、ヤバイ。
｢マシュ！！スキルを使用してから宝具を！！先生は防御のスキルを！！｣
｢はい！！"誉れ高き雪花の壁"！！｣
｢了解だ。"軍師の忠言"｣
防御系のバフをかける。
｢マシュ！合図と共に、宝具展開する！！｣
｢はい！！｣
相手が、魔力を凝縮させ放とうとしている。今まで会った魔神柱とは格上の魔力が更に濃くなる。
｢焼却式ｰｰ｣
｢来た！マシュ！！｣
｢はい！！偽装登録ｰｰ行けます！！ｰｰ
マシュの宝具が展開すると同時に、圧縮された魔力が放たれる。
｢ｰｰバルバトス！！｣
凄まじい、魔力の業火。全てを焼かんとする焔。
｢くっ………何とか持ちこたえました…｣
と、ボロボロになったマシュが言う。
そう、持ちこたえた。だが、もう宝具を撃てる魔力は無い。
｢あと、一撃…一撃なのに…！｣
悔しくて、手を握り締める。あと、少しが届かない。
その時だった。いつかの冬木で見た矢の一閃が魔神柱を射貫く。
｢マスター。まだいけるな｣
｢君は………｣
｢あと、一撃なのだろう？私なら、撃てる。魔力をまわせ、マスター！！決めに行くぞ！！！｣
｢あぁ！！宝具の展開を命ずる！！｣
右手の甲の令呪が熱を持ち、1画消え去る。
赤い弓兵ｰｰｰｰｰｰエミヤはニヤリと笑うと、詠唱を始めた。
｢
血潮は鉄で、心は硝子。
幾たびの戦場を越えて不敗。
ただの一度も敗走はなく、
ただの一度も理解されない。
彼の者は常に独り 剣の丘で勝利に酔う。
故に、生涯に意味はなく。
聞こえてきた、呪文。それは、どこか呪いのようで。
｢
呪文唱えると同時に、無数の剣が突き刺さるどこか寂しい、夕日が赤錆のように染める丘が現れた。
そして、その呪文を詠唱する声は、勝利の確信に満ちた希望の声だった。
無数の剣が魔神柱に突き刺さる。
何度も、何度も。
魔神柱も、これ以上肉を削がれまいと魔力を傷に回し癒す。が、追いつかない。
｢ぐっ………おのれ………ぐぁぁぁぁぁああ！！｣
断末魔を上げ、魔神柱は消え去った。
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作者名：キーリア | 作成日時：2016年10月2日 21時
